サバイバル経営Q&A

会社を継ぐのは我が子だけ ルール化に三代目のリスク サバイバル経営Q&A 税理士 楮原達也氏

リーダー論 持続可能性 事業承継 企業統治

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SDGs(持続可能な開発目標)にデジタルトランスフォーメーション(DX)……。ビジネスの現場には次々課題が降ってくる。あなたの職場は持続可能ですか。今回は会社を我が子だけが承継するルールづくりを望むファミリー企業の経営者に、税理士の楮原達也氏がそのメリットとリスクを示します。

創業90年になる会社の会長を務めています。代々、血のつながった親族が株式を承継しており、社長を務める長女の夫には持たせていません。先祖からの不動産などが会社財産になっており、株式は2人の娘にだけ継がせたいのです。将来も血族で経営権を承継していくために、何か決めごとをつくることはできますか。

日本企業の97%はファミリー企業(同族経営)と言われています。創業家が長年にわたり経営をコントロールする企業は、比較的に長寿であることが多く、経営を安定させやすい形態だと思います。トヨタ自動車などの日本を代表する企業が、創業家に支えられているのはその証拠と言えるでしょう。私が事業承継について助言を求められる際に、親族や血縁者を後継者にすることにこだわる経営者が非常に多いのも確かです。

 

「三代目は身代を潰す」 原因は利害関係者の増加

しかし、遠い将来まで創業家だけが株式を持ち続けることを定めるとなると、経営の安定とは別の話になりそうです。ただでさえ後継者探しに苦労する企業が多いのに、経営権を持つ者を血縁者に限定すれば、適切な人材で承継していけるかどうか極めて不透明になります。

「三代目は身代を潰す」とよく言われます。創業者の苦労を見て育つ二代目に比べ、三代目は苦労知らず、というのが理由のようですが、承継の場に長く携わってきた立場からすると、それは全く違うと感じます。三代目のオーナーシップや経営が難しくなりがちなのは、本人の資質というより、身代(会社財産=株式)の承継と会社の利害関係者が増えることが原因であるケースがほとんどです。

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