ヒットの軌跡

ランチパック、常識を超える開発力 ご当地やコラボ多彩 山崎製パン「ランチパック」(下)

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1秒間に11.5個も売れているヒット食品がある。答は山崎製パンの「ランチパック」。食感や持ち運びやすさに加えて、大きな魅力になっているのは、これまでに2500種類以上というバリエーションの豊かさだ。製パン業界の常識を超える商品開発力は全国各地で「ご当地」商品を生み出してきた。他メーカーとのコラボレーション商品も相次ぐ。ユニークな「掛け算」でヒット商品を送り出してきた商品開発力に迫る。<前回記事「山崎ランチパック、しっとり食感の秘密 自前配送の理由」>

山崎製パンは2006年、初めてランチパックのテレビCMを全国規模で放送した。当時のキャッチコピーは「携帯するランチ」。営業統括本部の早川史朗マーケティング部長は「本腰を入れてランチパックをしっかり売っていこうとの意識が高まっていた」と事情を説明する。

2006年はまだ日本でスマートフォンが一般化する前だったが、既に多くの人が携帯電話を持ち始めていた。最初のランチパックが発売された1984年は、男女雇用機会均等法(1985年施行)を求める運動が活発になった時期。それから22年が経過した2006年には、オフィスで仕事をしながらの食事シーンも珍しくなくなっていた。片手で手軽に食べられるランチパックが一段と支持される下地は整いつつあった。

しっとりとふんわりを兼ね備えた口あたりは食べる人を選ばない。しかも具材はバリエーションが多く、その日の気分で選びやすい。ワンパターンを避けたい職場での昼食にピッタリだ。片手で食べられるおにぎりは以前からコンビニエンスストアでおなじみだったが、ランチパックは口を大きく開けずに済み、手も汚れない点でおにぎりより重宝な面がある。ファンが増えたのを追い風に取り扱う店舗も広がっていった。

今や年間出荷額が370億円前後という山崎製パンの看板商品の一つに育ったランチパックは、常時30〜40種をラインアップ。年間150種以上もの新商品が登場する。相次いで登場する新商品はファンの関心が高い。認知度アップにも貢献しているようで、国内でのランチパックのブランド認知度は90%を超えるという。

2023年には158種類の新商品が登場した。そのうち42種類は全国各地の特徴的な食材や、ご当地グルメを活用した「ご当地」商品だった。他の食品メーカーの人気商品や定番商品と組んだ「コラボ」商品も69種が登場した。

様々な新商品が登場する一方、売れ行きのトップ3にはおなじみの名前が並ぶ。年間売上個数ランキング(2023年)は「たまご」「ピーナッツ」「ツナマヨネーズ」の順。たまごは関西で強く、ピーナッツは発売当時からのロングセラーだ。食べ慣れた定番商品の存在がブランドへの信頼感を下支えし、新顔商品への呼び水にもなっている。

 

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