NIKKEIブルーオーシャン・フォーラム

サラヤ、「きれいごと」をやり続ける覚悟 リユースプラットフォームでも 最初の一歩を踏み出す

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海洋保全 循環型経済 感染症

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創業以来、事業を通じて様々な社会課題を解決してきたサラヤ。社会価値と経済利益を両立するビジネスを実践して大きく成長してきた。海洋プラスチックごみ問題の解決と資源循環型社会への移行に向けて、容器のリユースプラットフォームに参画し、2025年には支援するNPO法人を通じて大阪・関西万博に出展。海の豊かさを守る「ブルーオーシャン」運動に全力を尽くす。

創業以来、感染症の予防など 事業を通じて社会課題を解決

サラヤは1952年の創業以来、世界の「衛生・環境・健康」の発展に貢献すべく、グローバルなネットワークを構築し、独自の商品やサービスを提供することで事業を発展させてきた。「地球市民」の一員であるという意識を強く持ち、温暖化対策や生物多様性と生態系の保全など地球環境が抱える課題解決に積極的に取り組みながら、持続的に成長することを目標にしている。

手洗いのためのせっけんやアルコール手指消毒剤に始まる商品の開発は、サラヤにとって重要な事業の柱だ。創業当時は衛生環境の悪い中で、赤痢などの感染症対策として日本で初めて薬用せっけんを発売した。ヤシ油を原料に、殺菌成分ビオゾール(イソプロピルメチルフェノール)を配合して、手洗いと同時に殺菌・消毒のできるせっけん液だ。

90年代に入って病院内でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による院内感染が続き、病院内の消毒の重要性が再認識された際にも、サラヤの速乾性アルコール消毒剤が活躍した。

サラヤ取締役でコンシューマー事業本部本部長を務める山田哲氏は「製品を作るのが目的ではなく、社会課題を解決するために製品を開発しています。世の中から感染症にかかる人を減らしたいという思いで事業に取り組んできました」と話す。

そうした思いが95年に始まる海外事業を後押しし、欧米諸国だけでなくアジアや中東、南米のほかアフリカのウガンダなど29の国・地域での展開につながっている。

環境負荷の低い製品を開発 若年層も固定客として定着

サラヤは、感染症予防以外にも環境問題の解決を目指した様々な事業に取り組んできた。

高度経済成長期の70年代は、安価で大量生産できる石油原料の合成洗剤が主流で、自然界で分解されにくい洗剤の成分が全国の河川や湖沼で環境汚染を引き起こしていた。サラヤは71年に他社に先駆けて環境負荷の少ないヤシ油を原料とした植物系の「ヤシノミ洗剤」を発売した。

手肌への優しさと、高い生分解性を持ったヤシの実由来の洗浄成分を使用し、洗浄に不要なものは一切含まない無香料・無着色にこだわった洗剤だ。ボトルの一部に再生樹脂、詰め替えパックの一部に植物由来樹脂を使うなど、「人と地球」に優しい製品作りに取り組むという創業の精神を今も引き継いでいる。

「ヤシノミ洗剤は50年以上もコンセプトを変えず、環境負荷の少ない洗剤として販売しています。他の洗剤に比べて多少割高でも、環境意識が高い20代や30代の若い世代が購入してくれます。親から子へと引き継いで使ってくれている家庭も多くあります」と山田氏は表情を緩ませる。

ヤシノミ洗剤の原料となるパーム油生産のため、一大産地である東南アジアのボルネオ島でアブラヤシ農園(プランテーション)が続々と作られ、熱帯雨林が伐採されて生態系に深刻な影響が出ていると知った社長の更家悠介氏が現地での森林保全活動に乗り出したのも、「社会問題をビジネスで解決する」という考えがあったからだ。

リユースプラットフォームに参加 資源循環とプラごみ削減を目指す

そんなサラヤが現在、環境対策の中でも力を入れているのが、プラスチックごみの流出による海洋汚染の防止だ。

プラごみ削減を目的に、世界中のメーカーや小売店や物流企業と協業したリユースプラットフォーム「Loop(ループ)」に参画するイオングループに賛同して、サラヤもハンドソープのカテゴリーで参加した。Loopは19年に米ニューヨークや仏パリなど欧米で始まり、21年から日本でも運用が始まったリユース容器を利用した循環型ショッピングの取り組みで、日本の企業も多く参画している。サラヤは、一般家庭用の「ウォシュボン ハーバル薬用ハンドソープつめかえ用(Loopモデル)」を繰り返し利用可能な専用容器で提供している。

消費者がイオンの店舗に持参した使用済みの容器を回収、検品、洗浄し、製品を再び充填した上で販売する仕組みだ。これを繰り返すことで、ごみ削減と容器製造に必要な資源の削減やエネルギー低減につながる。

山田氏は「Loopの事業はビジネスとしての規模はまだ小さいものの、続けていくことに意味があります。飲料をマイボトルに入れて持ち運ぶのが定着したように、新たな商品の提供方法として定着させ、社会を変革するソリューションの1つになればよいと考えています」と話す。

海洋保全について多くの人の理解を促す活動にも積極的に取り組んでいる。25年にはサラヤが支援するNPO法人ゼリ・ジャパンを通じて大阪・関西万博に「ブルーオーシャンドーム」をパビリオン出展する。「海の蘇生」をテーマに掲げ、地球や海に対する意識と行動の変容を起こすような海の持続的な活用に向けた展示スペースで、来場者に今までにない体験を提供する予定だ。

社長の更家氏が常々語っているように、サラヤは「社会を構成する一員としてより良い未来を築くために環境問題など様々な課題に取り組みつつ利益を出す『きれいごと』を実践する企業」を目指している。

「サラヤは最初の一歩を踏み出す『ファーストペンギン』です。一企業にできることは限られていますが、やり続ければ社会や他の企業、消費者を巻き込んで社会を変革する大きな力が生まれるはずです」と山田氏は期待する。

【日経からのお知らせ】NIKKEIブルーオーシャン・フォーラム
海の環境を守り、その資源を正しく利活用する方策や仕組みを考え、内外に発信していく目的で、日本経済新聞社と日経BPはNIKKEIブルーオーシャン・フォーラムを設立しました。海洋に関連する多様な領域の専門家や企業の代表らによる有識者委員会を年4回のペースで開き、幅広い視点から議論を深めて「海洋保全に関する日本からの提言」を作成します。

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