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西日本で勢いづく納豆食 「おかめ納豆」、全国に拡大 「おかめ納豆」のタカノフーズ(下)

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西日本で納豆を食べる人が増えている。たれや薬味に地域ごとの好みが反映されて、ファンの裾野が広がった。主力ブランド「おかめ納豆」で有名な納豆最大手のタカノフーズ(茨城県小美玉市)は「納豆文化圏」を全国に拡大。近年の売上高は増加が続き、年間700億円を超える。地域の壁を超えて納豆好きを増やし続ける同社の試みを追った。<前回の記事「納豆はなぜスチロール容器 知られざる製法の秘密」

かつては「関西では納豆を食べない」といわれてきた。しかし、これは誤解が多い。実際、近年の国内消費量が伸びている理由としては「西日本での市場拡大が大きい」と、同社営業推進部門納豆営業推進の市村真二マネージャーは浸透ぶりを説明する。東日本に比べれば浸透率は見劣りするものの、その分「伸びしろ」が大きく、消費者層の広がりが加速している。

西日本で納豆好きが増えた一因は各地の消費者に目配りした商品アレンジだ。タカノフーズは関西と九州ではたれの味付けを東日本とは変えている。においも抑えているという。「関西は奥深いだし文化があり、九州は甘めが好まれる傾向にある」(市村氏)。一方、ひきわり納豆は東北で好まれる傾向があるそうだ。

「おかめ仕立てミニ3(西日本限定)」は瀬戸内産のいりこを使い、口当たりをまろやかに仕上げている。西日本を意識して開発した「まろやか旨味ミニ3」のたれには3種の昆布を使用。関西では昆布だしを主に用いるようになってから売れ行きが伸びたという。

薬味類でも違いがある。例えば、「おかめ仕立てミニ3(九州限定)」にはからしを添えていない。添付の「九州うまかたれ」はエリアの好みに合わせた甘めの味わいだ。

一方、東日本向けではたれの味付けをあまり変えていない。「おかめ納豆 極小粒ミニ3」の味に慣れ親しんだ長年のファンが多いので、「違和感が生じないよう、慎重に構えている」(市村氏)。過去にはユズこしょうやしそ海苔(のり)などを加えた納豆も売り出したことがあり、チャレンジは怠りない。主力商品では従来の風味を守りつつ、新商品で別の風味を提案する戦略にはロングセラーならではの顧客への気配りがうかがえる。

たれを詰めた小袋にも細やかな配慮が忍ばせてある。こうした液状の調味料を入れる小袋には小さい切れ込みを入れるタイプが多いが、タカノフーズでは弧を描くミシン目を入れている。「切れ込みを見付けにくい人は珍しくない。たれで手を汚すと、ストレスも生じる」(市村氏)という。

スチロール素材の容器は改良を重ね続けてきた。かつては底が角張っていたので、粒が隅に引っ掛かるという声があり、きれいに取り出しやすい丸底に変えた。パッケージの端がとがっていると、レジ袋を破ってしまいやすいという指摘を受けて、丸みを付けた。

ちなみに、納豆はたれを加えない状態で混ぜたほうが粘りを出しやすい。たれやからしを加えるのは、粘りを出してからがおすすめだという。フィルムを手軽に取るには、コツがある。容器の外側へ少し出してから、ふたでフィルムを挟んで引っ張れば、フィルムだけを抜き出せる。

 

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