フィンテックサミット2023特集

だれもが利用できるデジタルサービスを アフラック生命保険 取締役専務執行役員 二見通氏が講演

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デジタル化の潮流が加速する中、保険各社もこれまでにないサービス開発に取り組んでいる。「『生きる』を創る。」をブランドプロミスとして、日本初のがん保険とともに創業したアフラック生命保険も先行する1社で、お客様、販売代理店、ビジネスパートナーなど各ステークホルダーを1つのプラットフォーム上で連携させるクラウド型サービスである「ADaaS/Aflac Digital as a Service」をはじめ、多数のDX(デジタルトランスフォーメーション)施策が話題を呼んでいる。同社のDXの取り組みと、目指している「リアルとデジタルの融合」、さらにその先にある「シン個人」のためのデジタルサービスについて、IT・デジタル部門をリードする二見通氏がFIN/SUM2023で行った講演の内容を紹介する。

リアルとデジタルを融合させ、一貫性を持った体験価値を提供する

社会とともに保険会社を取り巻く環境も大きく変化しています。そのような環境の中でも「『生きる』を創るリーディングカンパニー」として、時代とともに変化する社会的課題に向き合い、社会と共有できる新たな価値を創造するために、当社は、3本の柱でDXを推進しています。

コアビジネスである生命保険事業の領域では、「生きるための保険」のリーダーとしてお客様にとって価値ある商品・サービスをデジタル技術で提供していきます。新たな領域では、生命保険事業以外の新たなビジネス領域でもデジタル技術を活用し、保険の枠を超えた新たな価値を創造します。そしてこれらの価値創出を支える基盤として、システムインフラの見直しや人財育成などに取り組み、DX推進態勢を強化しています。

これらの取り組みを通じて当社が目指すのは、「リアルとデジタルを融合させ、全てのお客様接点において一貫性を持った体験価値を提供すること」です。

例えば、販売代理店の店舗で保険相談をしていたところ、次の予定があり、店を出なければいけなくなったお客様がいらっしゃるとします。このような場合でも、帰宅された後にご自宅からデジタル空間上で保険相談や申込手続きが再開でき、保険や健康に関する情報を知ることができればお客様の満足度向上にもつながると考えています。お客様にリアルとデジタルのどちらかを選んでいただくのではなく、「いつでも、どこでも、だれでも」必要なサービスを提供することを通じて、感動的なユーザー体験を提供することを目指して取り組んでいます。

リアルとデジタルの融合の実現に向けた取り組みの1つとして、昨年提供を開始したのが「ADaaS/Aflac Digital as a Service」です。お客様、販売代理店、ビジネスパートナーなど各ステークホルダーを1つのプラットフォーム上で連携させるクラウド型デジタルサービスで、利用者はサービスメニューの中から利用したいサービスだけを選択して利用することができます。お客様サービスを向上させることや販売代理店およびビジネスパートナーのDX推進をサポートすることに加えて、このADaaSを活用して行政や地方自治体と協業、共創することで社会的課題の解決にも取り組んでいきます。

自ら選択し、利用できる時代へ

FIN/SUM2023のテーマは「シン個人」です。新、信、進など様々な字が当てはまると思いますが、一人ひとりのお客様を「深く知る」と言う意味での「深」の意味も込めています。リアルとデジタルが融合した世界で当社が提供する「シン個人」のためのデジタルサービスは、全てのお客様にご利用いただけるデジタルサービスであるとともに、お客様が自らの意思で選択して利用できるサービスでなければならないと考えています。

そのためにはデジタルに抵抗のあるお客様にも使いやすく、分かりやすいサービスを提供すること、その一方でデジタルを積極的に活用したいお客様には、例えば、メタバース等の新たなデジタル技術を活用した世界でサービスを提供することが必要です。今後は、お客様一人ひとりのニーズに寄り添ったデジタルサービスの拡充にも注力し、誰も取り残さない世界の実現に向けて取り組んでいきます。

誰もがデジタルサービスの恩恵を受けられる社会を目指して

ここで当社の取り組みの一例を紹介します。

まず「オンライン相談」です。遠隔地にお住まいの方、介護・育児など様々な事情があり、実際にお会いして保険をご案内することが難しいお客様に寄り添い、オンライン上でコミュニケーションを取ることができるサービスです。

続いて「アフラックミラー※」です。これは鏡型のIoT機器で、スマートフォンやタブレットに不慣れなご高齢のお客様でも鏡を見るという日常的な行為を生かして使い続けられるようなUI(ユーザーインターフェース)を追求しました。アフラックミラーを活用することで、お客様と販売代理店・保険会社との接点を創出することや、お客様とそのご家族のコミュニケーションをサポートすることもできるようになっています。

次に「デジタルほけんショップ」です。昨今、保険について考えるきっかけがない方や実店舗に行く機会がほとんどない若い世代の方は少なくありません。また、その一方で若い世代の方はデジタルの活用に抵抗のない人が多いのも事実です。そのような方との接点機会を創出するため、仮想空間上に開設した代理店店舗で、エンタメコンテンツを楽しんだり、保険や健康に関する情報収集や保険相談ができたりするサービスを展開しています。

最後に「ライフシミュレーション」です。パーソナライズされたお客様情報に基づき、将来起こり得るライフイベントをVR(バーチャルリアリティー)で体験できるサービスです。将来のリスクや必要な保障について、書面で説明を受けるよりもリアルに感じていただくことが可能です。この他にも各業界で活躍している方の生の声を聞くことや、職業体験することができるなど、メタバース上でも幅広く一人ひとりのお客様をサポートするサービスの提供に向けて準備を進めています。

アフラックはこれらのサービスの提供を通じて、お客様一人ひとりを深く知り、誰もがデジタルサービスの恩恵を受けられる社会の実現を目指して取り組んでいきます。

※アフラックミラーはゼネラ(東京・中央)が提供するサービスで、アフラックはその取り組みの支援として保険や健康に関わるアプリを提供している。

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