■「必要な睡眠時間」<「臥床時間」=「不安定な睡眠」
実はこれ、睡眠も全く同じなのです。ビー玉10個を「実際に身体が必要とする睡眠時間」、箱を「臥床(がしょう)時間」に置き換えることができます。すると、以下のような法則が成立します。
(1)「実際に身体が必要とする睡眠時間」>「臥床時間」=睡眠不足
(2)「実際に身体が必要とする睡眠時間」≒「臥床時間」=安定した睡眠
(3)「実際に身体が必要とする睡眠時間」<「臥床時間」=不安定な睡眠
(1)は箱が極端に小さい場合です。必要な睡眠時間よりも臥床時間が短いため、十分な睡眠時間を確保できず、睡眠不足状態になります。日中にやるべきことが多く、睡眠時間を削ってでも働かなければならない人は、このような睡眠習慣になっていることが多いです。
(2)は必要な睡眠時間と臥床時間の均衡が取れているため、毎日安定した睡眠を取ることができます。それ故、日常生活も充実している場合が多いと考えられます。
(3)は箱が大きすぎる場合です。第3回で紹介した不眠タイプの中でも「心奪われ不眠」と「心身不調不眠」に当てはまる人たちは往々にして、このような睡眠習慣を続けています。というのも、眠れないという事実があまりにもつらすぎて、「眠れなくても横になっていれば大丈夫」作戦を続けざるを得なかったからです。しかし、睡眠が不安定になることで「今夜は眠れるだろうか」と一喜一憂しやすくなり、NGツール・NGワードに引っ掛かってしまいます(第4回参照)。