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仕事人が選ぶ「レッツノート」 ここまでやる作り込み ノートパソコン「レッツノート(Let's note)」(下)

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ノートパソコン「レッツノート(Let's note)」は法人やビジネスパーソンから圧倒的な支持を得ている。公式サイトの法人向けトップページに「レッツノートが高額でも支持され続けている理由」と自ら掲げる通り、価格は高めだ。大量購入する企業・団体はコストに敏感なはずなのに、なぜレッツノートを選ぶのか。レッツノート事業を手掛ける、パナソニックホールディングス傘下のパナソニック コネクトで秘密に迫った。<前回の記事「レッツノート1択」の理由 ビジネス仕様へ振り切り

仕事用のパソコンを選ぶ際、買い慣れていないと、使い始めてから不満を覚えがちだ。売り場で目立つ画面サイズや、スペック表が強調するハイパワーといった新機能に惑わされやすい。しかし、仕事用の「相棒マシン」に求められるのは、もっとリアルな使い勝手のよさだ。ビジネス仕様に振り切っているレッツノートは「実際の業務に寄り添うスタンスを貫いている」と、パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部共通技術総括部の田中慎太郎氏は立ち位置の徹底度を示す。

具体的な一例に挙げられるのは、「キーストローク」(キーが沈み込む深さ)が大きいことだ。それぞれのキーに指を乗せる横幅を意味する「キーピッチ」は有名だ。売り場のスペック表でも比較対象になりやすい。ミスタイプを防ぐには大事な目安だ。しかし、スムーズな指運びのためには深さも重要となる。疲労感とも関係が深いから、作業効率を左右する。

だが、キーストロークは購入時に見逃されがちだ。パソコンを使い込むうちに「何だか疲れやすい」と感じ始めるが、時すでに遅し。打鍵感が理由の返品・交換にはまず応じてもらえない。レッツノートは12.4型の「SR4(6月発売)」でも2ミリのストロークを確保した。薄さや軽さを優先して、深さを削るモデルは珍しくない。割と手っ取り早く、ボディーを薄くできるからだ。しかし、「操作性を犠牲にするつもりはない。仕事でバリバリ使って、それでも疲れないのがレッツノートだから」と、田中氏はストロークへのこだわりをみせる。

ビジネス現場で支持される理由としては「拡張性」も大きい。誤解が多い言葉だ。字面だけを見ると、最新の接続端子を備え、ハイスペックな周辺機器とつなげられるような印象を受ける。しかし、レッツノートの強みは真逆だ。「レガシー(過去の遺物)」と呼ばれるような、昔ながらの接続端子とのつなぎ口を残している点でレッツノートはひそかな支持を得ている。「下位互換性」とも呼べるだろう。

象徴的な端子が外部ディスプレーに出力する「アナログRGBミニD-sub15ピン」だろう。今やHDMI端子が標準となりつつあるが、取引先の会議室で古めのプロジェクターやディスプレーにつなぐ場面はゼロではない。HDMI端子しか備えていないノートパソコンを持ち込むと、せっかく仕上げた提案資料を画面に映し出すことができず、「詰んだ(手も足も出ない)」という事態になりかねない。古めの端子を残すのは、コストや内部構造の面で負担となるが、「ビジネス現場でユーザーを困らせないのが我々の務め」と、田中氏はあえて「枯れた技術」をサポートする意義を説明する。

 

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