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変容する営業シナリオ リモートで欠けた情報を見直せ デジタルマーケティングの明日(4) トライベック・ストラテジー社長 後藤洋氏

マーケティング 営業 インタビュー

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――コロナ禍でデジタルの位置づけはどう変わりますか。

「マーケティングコミュニケーション全体のなかで、デジタルにどのような役割を求めるのかが決まっていなければ、おそらくデジタル上のコミュニケーションもオウンドメディア(自社メディア)のコンテンツの展開もうまく絵図を描けません。オンラインだけでなくてオフラインも含めた全体のマーケティングコミュニケーションのなかで、デジタルに何を補完させるかというところが大事だと思います」

リモートで欠損した情報をどう補完するか

「社会が変わるということは企業と顧客との間にあるシナリオ、つまり文脈が変わってくることだと考えます。これまでのシナリオやストーリーではフィットしなくなってきます。ウィズコロナ、アフターコロナを見据えたシナリオづくりの再考というか、ストーリーづくりをもう一度考え直す必要があるのだろうと思います」

「具体的には、対面営業がリモートになることで、欠けてしまう情報があるはずです。顧客がニコニコ聞いていたとか、反応が良かったとか。そうしたコミュニケーションの欠損をどう埋めるか。そういう発想で、ウィズコロナ、アフターコロナにおける営業シナリオを考え直す必要があると考えます。問い合わせ対応の際、一つ質問を加えるなど、一見するとノイズになるようなコンテンツだとしても、相手のニーズを満たすことに役立つのであれば、求められるアクションであるといえます。これからの新しいBtoBのデジタルマーケティングとしては重要かなと思います」

――デジタルの役割はかなり大きくなりますね。

「大きくなりますが、よりヒューマニティーというか、より人の心を分かるようなコミュニケーションがデジタルに求められると思います。デジタル技術で便利になるというよりは、ひと手間あるけどすごく親切、という感じをどうやってデジタルで表現するかですね。私はこちらの方が重要になってくるのではないかと感じています。コンバージョン至上主義はもうやめた方がいいでしょう。サイト内の回遊など、サイト内の行動の質を上げていくことが非常に大事だと考えます」

「新型コロナも含めて、価値観のパラダイムシフトが起きているのですから、これまでの成功体験をベースにして考えるより、ゼロリセットして、顧客とのコミュニケーションを再考してみることが求められています。企業目線ではなくユーザー目線で、従来とは正反対の視点から見つめ直すことが大切だと思います」

(平片均也)

「NIKKEI BtoBマーケティングアワード」
日本経済新聞社が2020年より開催している、BtoBマーケティングに優れた取り組みを表彰する事業。ブランディング、デマンドジェネレーション(需要創造)、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)など、BtoB企業のマーケティング活動全般に対して、創造性や新規性、経営へのインパクトなどを基準に審査し表彰します。アワードの詳細はこちら

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