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応援と共感が生む職場の幸せと生産性向上 ハピネスプラネット アプリで組織活性化支援

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正月に箱根駅伝をテレビや沿道で観戦し、声援を送った人も多いだろう。選手たちはこうした応援に後押しされて走ることができたと口をそろえる。応援が力になるのはスポーツに限った話ではない。応援の力を職場に導入し、生産性を向上させる仕組みが、日立製作所のグループ会社ハピネスプラネット(東京都国分寺市)のサービス「ハピネスプラネットジム」だ。すでに200社近くが導入し、成果をあげている。

朝、就業前、社員3人のスマートフォンのアプリ「ハピネスプラネット」にその日の「お題」が届く。

お題「今日、優先して取り組みたいことは?」

Aさん「システム改修の打ち合わせで現場目線を大切にして精いっぱい提案させていただきます!」

Bさん「提案資料、非常に分かりやすかったです!頑張ってください!!」

Cさん「同席します。勉強させていただきます!」

Aさんの宣言に、BさんとCさんが応援メッセージを送る。

「こうした応援が従業員のモチベーションを上げ、生産性の向上につながる」と矢野和男代表取締役CEO(最高経営責任者)は話す。

「最近、読んだ本は?」仕事と関係ない話題も

チームメンバーは毎週入れ替わる。普段の仕事では話す機会のない社内の人ともつながることができる。「お題」として提示されるのは、「最近、読んだ本や漫画はなんですか?」といった仕事とは関係のないものも多い。仕事だけではわからない、その人の人柄などを知ることができる。

ポイントは3人が形づくる「三角形の関係」の連鎖だ。組織内で上司と部下のV字型の縦の関係に加え、同僚らとの横や斜めのつながりをつくることでコミュニケーションを活性化させ、個人のモチベーションを高め、組織全体のつながりをつくることで、生産性を向上させる。

仕事の発信やプライベートな話題を通じて、縦、横、斜めの関係を深め、組織内に三角形のつながりをつくる。

学術研究で裏付け

こうした仕組みによる効果はいくつもの学術研究によって実証されている。従業員のウェルビーイング向上が生産性をあげることは知られていた。矢野CEOは、どのような組織なら従業員は幸せを感じられるのかを探る研究を始めた。

そこでわかったことの一つが、幸せな組織は4つの特徴「FINE」を持っているということだ。具体的には、人と人とのつながりが特定の人に偏らず均等な「Flat(均等)」、短い会話が高頻度で行われる「Improvised(即興的)」、会話中に体が同調してよく動く「Non-verbal(非言語的)」、発言権が平等な「Equal(平等)」だ。

さらに、上司と部下による仕事のみの縦の関係ではなく、仕事以外の話題も含めた同僚らとの横や斜めのつながりも持つ三角形の関係がないと、ウェルビーイングな組織にはならないことがわかった。

こうした研究の成果をサービスに落とし込んだのが「ハピネスプラネットジム」というわけだ。

200社近くが導入

2022年のサービス開始以来、すでに200社近い企業が導入している。合併したばかりのリース会社は新組織を立ち上げる際のチームビルディング促進に利用している。早期に従業員同士の関係性を深めるとともに、企業文化の違いを超えて共通認識をつくることに役立ったという。様々な部署の次世代リーダー研修のコミュニケーション促進策として利用する食品メーカーグループでは「エリアや職種、経験者採用など様々なバックボーンを持つメンバーのそれぞれの思いや業務内容を知ることによる多様な視点の獲得」につながったという。そのほか、新入社員が早く会社に慣れる目的や、ウェルビーイングの向上を目指して、幅広い職場での「つながり」づくりのために導入した企業もある。

「ウェルビーイングに大切なのは人と人の良い関係。ハピネスプラネットジムは、そうした人間的なつながりをシステマティックに作れるツール」と矢野CEOは言う。

ハピネスプラネットジムの活用の場は、企業に限らず地域など人がいるあらゆる場所に広がる可能性を秘めている。

(町田猛)

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