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「だめ上司」の典型タイプ だから、部下が辞めていく 「こうして社員は、やる気を失っていく」著者 松岡保昌氏(下)

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長く働いていれば、嫌いな上司に悩まされた経験は多くの人が持っているだろう。転職が難しかった昔とは違い、今は「不愉快な上司の下で働き続けるのを我慢しない人が増えてきた」と、経営コンサルタントの松岡保昌氏はみる。つまり、嫌われる上司は優秀な部下を離職に追い込み、企業の人材ロスを引き起こしかねない点で深刻な「経営リスク」といえる。著書「こうして社員は、やる気を失っていく」(日本実業出版社)を書いた松岡氏に、離職を招く「だめ上司」の典型的タイプを明かしてもらった。(前回の記事「やる気を奪う『悪上司』 NGパターンはこれだ」)

松岡氏が挙げる「やる気を奪う上司・リーダー」の典型例は「説明しない問答無用タイプ」だ。業務ミッションを与えても、その理由や目的を言い添えない。「いいから、つべこべ言わずにやれ」と対話を打ち切る。質問にも答えない。答えても「決まったことだから」「上からの指示」で済ませてしまう。「事情や背景が分からないと、現場担当者は具体的な判断に迷ってしまいやすい。説明を省きたがる上司・リーダーは働き手を心理的に孤立させ、最終的には離職に追い込む」(松岡氏)

前例踏襲型の上司・リーダーも、現場から愛想をつかされやすい。思考停止に陥って、判断のよりどころを前例に求める上役は頼りない存在に映る。部下・チームメンバーが新発想のチャレンジを提案した場合に「前例がない試みが失敗したら、誰が責任を取るんだ」と、提案者に気色ばむのは愚の骨頂だ。逆に、「責任を取るために私がいる。心配しないでトライしてくれ」と言えば、「期待した以上のパフォーマンスを発揮してくれるはず。責任回避を決め込む上司・リーダーには人がついてこない」と、松岡氏は事なかれ主義の弊害を指摘する。

部下・チームメンバーが憧れる「理想の上司」になるのは難しい。どうすればそうなれるのかすらはっきりしない。でも、松岡氏は「立派なリーダーを目指す必要はない。嫌われあきれられ見限られるのを避けるだけで、離職を防ぐ効果は見込める」と説く。本書が「悪上司」のパターンを列挙している理由だ。「チームの心を折るような振る舞いを知って、それらを『禁じ手』にするだけで構わない」と、松岡氏は目指す上司像の切り替えを促す。

今の20~30代は職場で成長させてもらえることを望む傾向が強いといわれる。チャンスをもらって、進んでチャレンジし、ちゃんと結果を出すという「チャチャチャ」のリズムを期待するわけだ。もちろん、仕事ですべてがうまく進むはずはないが、「成長につながる機会を与えない態度は、『自分がここに身を置く意味は乏しい』と、働き手をがっかりさせてしまいがち。『お前にはまだ早い』という昭和風のチャンス先送り式は納得感を得にくい」(松岡氏)という。

 

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