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共育て社会実現へ 多彩な教育実践を 23年12月SDGsフェス 日経こども未来経済フォーラム

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2023年12月6日、「日経こども未来経済フォーラム」(主催:日本経済新聞社、日経BP)が開催された。急速に進む少子化は日本の静かなる有事ともいわれる。政府の少子化対策の基本理念は、結婚や子育てに関する多様な価値観を尊重しながら、希望する誰もが子どもを産み、育てられる社会の実現だ。広く社会全体で子どもを育てる「共育て」の推進も欠かせない。政治や教育、スポーツなど、多彩な領域から集った識者が、子どもを温かく見守り、可能性を最大限に伸ばす社会へと変革する方策を語り合った。

 

【基調講演】子どもを社会のまんなかに

加藤 鮎子 氏 こども政策担当大臣

23年4月に発足したこども家庭庁のスローガンは「こどもまんなか」だ。これまでの大人中心の社会を、子ども中心の社会につくりかえることを使命とする。

庁の発足に合わせ、子ども施策の包括的基本法として「こども基本法」を施行。23年12月には子ども施策に関する今後5年ほどの基本方針などを定めた「こども大綱」をとりまとめる方針だ(12月22日閣議決定)。とりまとめに当たってのこだわりは、徹底的に当事者視点に立つことだ。子どもや若者、子育て当事者の声を広く反映することを重視する。

子どもを巡る重要課題の一つに少子化がある。22年の出生数は過去最少の約77万人だった。30年代には、若年人口が現在の倍の速度で急減するとされる。これからの6〜7年が、わが国の少子化傾向を反転させるラストチャンスだ。

そこで、24年度からの3年間を「取組集中期間」と位置づけて「こども・子育て支援加速化プラン」を実施。児童手当の拡充や育児休業給付の給付率引き上げなど、「こども未来戦略」に沿った幅広い支援策を講じる。

野心的な目標の達成には、社会の意識改革も必要だ。公共交通機関におけるベビーカー優先スペースの設置推進などの施策を通じ、子どもや子育て当事者を社会全体で支える機運を醸成していく。

子どもや若者、子育て当事者にやさしい社会づくりは、日本の未来への投資そのものだ。その意識を一人ひとりの国民や、多様な企業・組織と共有し、子どもをまんなかに置く社会を実現したい。

 

 

【講演】独自の金融経済教育提供

南里 彩子 氏 三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役員 兼 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 執行役員 ESG推進室担当

幅広い金融サービスを通じた社会課題解決に取り組む当グループのパーパスは「世界が進むチカラになる。」だ。持続可能な社会の実現を目指す全てのステークホルダー(利害関係者)の力となることへの決意を込めている。

パーパスに基づき、少子高齢化や気候変動対策などをサステナビリティー経営における10の優先課題を設定。解決に向けた取り組みを進めているところだ。他方で、ビジネスではアクセスしにくい課題もある。そこで当グループでは、業務利益の0.5%相当額を社会に還元する、社会貢献活動の枠組みを整備した。次世代育成支援・子ども支援をはじめとする5つの優先領域に対し、寄付やボランティア活動なども展開する。

優先領域には、子どもや若い世代への金融経済教育も含まれる。金融経済教育において目指すのは、正しい知識で賢い判断をし、自分の暮らしや生き方をデザインできる力を養う助けとなることだ。23年度には「MUFG出前授業プログラム」の新設や、各社個別のプログラムの共通利用を開始するなど、社員が地域の学校や子ども食堂などで金融経済教育を実施し、グループ全体で取り組んでいる。

加えて、子どもたちと従業員が、地域課題やサステナビリティー課題の解決策を共に考え、行動する取り組みも実施。地域活性化にも貢献している。

中でも特色ある金融経済教育を実践しているのが、グループの中核証券会社である三菱UFJモルガン・スタンレー証券だ。小学生から大学生まで、次世代を担う全ての世代に金融経済教育プログラムを提供。また、講師養成を人事研修の一部として活用し、従業員の教育にも役立てている。全プログラムに共通するこだわりは、生徒や学生の自主的な学びや主体性を引き出すためのアクティブラーニングの実践だ。小学生向け「お金の力―VALUE」では、お金を大切に使うとはどういうことか、カードゲームを用いた対話を通して学ぶ。自分と周りの人とで、身の回りのものや活動にふさわしいと考える値段が異なることを知り、その違いがなぜ生まれるかを探求する。お金に関する知識習得に留まらず、より良く生きることについて主体的に考える力を養う。

また中高生向け「株の力」では、株式や証券会社の役割を主体的に学ぶ。社会に資する事業アイデアを持つ起業家を、投資家が資金提供で応援することの意義や、株式投資によるお金の循環が社会全体にもたらす影響など、株の役割を多角的に考えるグループワークも実施。最終的な学びの成果は、株式の持つ本質的な力を表現する新聞広告として発表する。参加者のプレゼンテーションは本質的なものが多く、主催者も学びとなる。22年より、金融経済教育に関する方針などに共感いただける自治体や学校との連携協定を締結。23年12月現在、2つの自治体、7つの学校と協定を結んでいる。

今後も金融経済教育を提供し、子どもたちが夢と働きがいのある社会へ進む力となることを目指す。

 

【パネルディスカッション】DX時代、主体的に学べ

中島 さち子 氏 ジャズピアニスト/steAm CEO/steAm BAND 代表理事/大阪・関西万博 テーマ事業プロデューサー
田中 沙弥果 氏 Waffle 理事長
中村 伊知哉 氏 iU 学長
櫻井 彩乃 氏 GENCOURAGE 代表/# 男女共同参画ってなんですか 代表
ファシリテーター 中村 奈都子 日本経済新聞社 総合解説センター 編集委員

創造力伸ばす教育を

中村(奈) 教育現場でもデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる。どのような課題意識を持ってデジタルを活用した教育に取り組んでいるか。

中島 私は音楽家、数学研究者であり、STEAM(スティーム)教育者でもある。STEAM教育は、科学や技術、工学、数学を統合的に学ぶSTEM教育に、アート・リベラルアーツ(Art/Arts)を組み合わせた分野横断的で創造的な学びを指す。

17年に創設したsteAmはSTEAM教育のプログラム提供などを行う会社だ。創造性の民主化をうたい、一人ひとりが持つ多様な個性や創造性が発揮される社会の実現を目指している。

櫻井 SNSなどを通し、若い世代の声をより良い社会づくりにつなげる活動に取り組んでいる。

20年の第五次男女共同参画基本計画の策定の際、30歳以下の若者の意見1050件を担当大臣に手渡した。「男女共同参画ってなんですか」の#(ハッシュタグ)をつけてSNSで集めた意見の一部は基本計画にも反映されている。

また、ジェンダーに関心を持つ15〜29歳が同世代の仲間と共に課題の解決策を考える場として「ジェンカレ」を運営。フロントランナーによる講義など、コンテンツはオンラインで提供する。

中村(伊) STEAM学習を実践するワークショップの提供などを行うNPO法人「CANVAS」の創設に携わるなど、デジタル技術を活用して子どもの創造力を伸ばす教育の普及に取り組んできた。

今後、人工知能(AI)やメタバースが教育をがらりと変える可能性がある。デジタルで創造力を育む教育へと転換できる好機だ。

その思いで20年にはiU(情報経営イノベーション専門職大学)を新設し、学長に就任。生徒全員が起業家となることを目指し、「目標就職率ゼロ」を掲げる。

田中 19年、IT(情報技術)分野のジェンダーギャップ解消のために一般社団法人Waffleを立ち上げた。

日本は、サイエンスやエンジニアリング関連の仕事に興味を持つ15歳女子の割合がOECD(経済協力開発機構)諸国中最下位だ。国際的な学力調査の結果をみると、日本の女子の数学や科学などの学力は米国の男子より高い。女子は理系が苦手だからIT関連の仕事につかないのではない。ジェンダーに関わるバイアス(偏見)などの社会的要因がIT関連の進路へのアクセスを狭めている。その課題意識のもと、女子と性的マイノリティーの中学生から大学生向けにIT教育などを提供している。

AIと人権、共に教える

中村(奈) 19年に開始されたGIGAスクール構想により、公立小中学校の児童・生徒に1人1台のパソコン端末が整備された。このことが教育をどう変えるか。

中島 IT活用により、考えていることの可視化や共有がしやすくなり、対話を通した主体的な学びが実現されるのではないか。自ら問いを立てて答えを探すといった探究的な学びの実現も期待される。答えのない問いに向き合う新しい学びの中で、子どもたちの創造性が存分に発揮される社会となることを願う。

櫻井 デジタルの活用の仕方や、コンテンツの価値や妥当性の判断の仕方を教えることも必要だ。インターネットで攻撃性の強い情報などにさらされ、自分の考えが揺れることに悩む学生もいる。

また、学びの場では探求心や創造性が求められるが、そうした姿勢を応援する社会の雰囲気を感じる若者は少ない。教育だけでなく社会全体を変える意識も必要だ。

中村(伊) 次の課題は家庭のデジタル環境の整備だ。政治課題として国が取り組むことを望む。デジタル環境の格差を学力格差につなげてはならない。

また今後、子どもたちはデジタルの知識と技術を当たり前に身につける。子どもの創造的な学びを止めないためにも、大人もデジタルについて知るべきだ。大人の教育環境も整備する必要がある。

田中 すでに生成AIを用いたプログラミング教育の先行事例がある。今後、AIを用いた教育が普及するだろう。AIが学習したデータによっては差別を助長しかねない側面もある。AIは万全ではないという前提の共有が大切だ。AIの規制ルールがない現状ではとくに、倫理観や人権の教育も同時に進める必要がある。

中村(奈) 様々な可能性やリスクを把握した上で、子どもの創造力を伸ばす主体的な学びの実現を、社会全体で推進したい。

 

【講演】住宅供給通じ共育て推進

西村 依希子 氏 オープンハウスグループ ブランドコミュニケーション部長

当社は都心部の住宅供給をコア事業に、多彩な事業を展開する。社会では、夫婦共働きで子どもを育てる世帯が増加している。親が働く場や子どもが通う学校、公共交通機関などにアクセスしやすい好立地の住宅へのニーズが高まる一方、都心部の新築住宅の平均価格は上昇傾向にある。

だからこそ当社は、「都心部で手の届く価格の住宅を提供する」というミッションの追求を通し、共働きや共育ての推進といった社会課題に応えたい。

近年力を注いでいることの一つにSTEM(ステム)教育の推進がある。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)を統合的に学ぶSTEM教育の推進と、それを通じた高度な科学技術人材の育成を国内で推進することは、日本の将来にとって重要だ。また、今日では不動産事業もテクノロジーなしには発展し得ない。こうした様々な背景からSTEM教育に取り組んでいる。

具体的な取り組みの一つに「3days DESIGN CHAMPIONSHIP」がある。住環境や建築などを専攻する学生を対象とした超実践型インターンシップだ。参加学生同士でチームをつくり、東京都内に実在する土地の新築戸建て住宅を3日間でデザイン。最優秀作品は当社が建築し、一般販売も行う。

子どもでも参加できるプログラムとしては「Web3チャレンジスクール教室」がある。Web3は、次世代分散型インターネットを指す。この教室で行うのは、ゲーミングプラットフォーム「ロブロックス」上でオリジナルゲームの制作と公開を体験するワークショップで、対象は小学生以上のメタバース初心者だ。子どもたちがメタバースの楽しさに触れたり、メタバース関連の仕事に関心を持つきっかけとなればうれしい。

このほか、ブロックチェーンなどに関しても、普及促進のための施策や基礎研究などを幅広く展開する。そこには企業としての様々な思いがある。しかし根幹をなすのは、次世代技術が当たり前に社会に普及したときに事業がどう変わるかを常に考え、顧客に選ばれ続ける企業でありたいという思いだ。

また当社は、不動産に関する出張授業を小学校で実施するなど、地域との連携による学びの機会創出にも注力。加えて、地域や社会全体で子どもを育てる共育て推進施策も展開している。その一環として、都内の営業センターには、授乳やおむつ替えができる授乳室とキッズスペースを整備している。

様々なことに取り組んでいるが、当社のミッションが手の届く価格の都心住宅の提供であることは今後も変わらない。引き続き事業そのものを通じて共育てを推進する。新築住宅の供給による子育て世代の流入はコミュニティーの高齢化に歯止めをかけるなど、様々な社会課題の解決にも貢献する。次世代にも、手の届く価格の都心住宅を提供し続けたい。

 

【講演】運動で健やかな成長に貢献

富永 満之 氏 アシックス 社長COO(登壇時は常務執行役員CDO·CIO)

当社の社名の由来は「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana in Corpore Sano)」というラテン語だ。創業は1949年。戦後の厳しい社会を生きる若者にスポーツを通して明るい未来を届けたいという思いで、スポーツシューズの開発をスタートした。事業を通じた子どもや若い世代の健やかさへの貢献は、今も当社に息づく創業哲学だ。

2020年には、企業として目指す将来像を「VISION2030」として策定。誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造することを目標に掲げた。

子どもの場合は特に、運動機会をいかに増やすかが主要課題の一つとなる。

運動神経が最も発達するのは6歳ごろまでとされる。このころに積極的に身体を動かすことが望ましいが、課外活動の自粛が続いたコロナ禍以降、子どもの運動機会は減少傾向にある。危惧しているのは、運動機会の減少が運動能力低下を招き、運動へのやる気がさらに低くなるといった悪循環だ。この悪循環は、大人になってからの運動習慣にも影響しかねない。

当社は子どもの足に合うスポーツシューズの開発を通じて、子どもが健やかに運動できる環境づくりに貢献する。その基点は当社の研究開発の最前線「スポーツ工学研究所」だ。研究所では、約18万足の足型データや約1300人の運動動作特徴のデータなどを蓄積。これらを基に、子どもの足の特徴を導き出した。

子どもは低年齢児ほど足幅が広く、土踏まずが未完成の偏平足だ。また、かかとから着地できないうちは足全体で着地して歩くので、足にかかる衝撃が大きい。こうした子どもの足の特徴や、歩く、走るといった運動動作の発達に対応するスポーツシューズを開発している。

とくに子どもは足にフィットするシューズを履くことが大切だが、足の成長が早いため、常に正確なサイズを把握することが難しい。そこで、独自データに基づき、子どもの足の成長を予測するサービス「ASICS STEPNOTE」を展開。適切な買い替え時期と、おすすめのシューズを知らせる。

ほかにも、子どもがスポーツを楽しく行える機会の拡充に向けた取り組みを幅広く展開する。運動能力の測定やおすすめのスポーツの判定も行う運動教室サービスなどを実施しているほか、20年には「ONE FUTURE PROJECT」を開始。小学生を対象に、身体を動かして遊ぶゲームの提供などを行っている。

また、子どもたちに持続可能な未来を手渡すため、シューズのサプライチェーン(供給網)の脱炭素化も進めている。22年9月には、原料調達や製造時に排出される二酸化炭素(CO2)排出量が、市販品の中で最も少ないスニーカーを開発した。

今後もスポーツサイエンスを通じ、子どもたちの健やかな成長を応援する企業であり続ける。

 

【パネルディスカッション】スポーツが育む思考力

川合 俊一 氏 日本ビーチバレーボール連盟 名誉会長/日本体育大学 客員教授
谷本 道哉 氏 順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 先任准教授/NHKみんなで筋肉体操 監修・出演
竹下 佳江 氏 元バレーボール女子日本代表
大山 加奈 氏 元バレーボール女子日本代表
ファシリテーター 佐藤 珠希 日経BP ライフメディアユニット長、日経WOMAN 発行人

運動不足の子ども増加

佐藤 スポーツを通じた子どもの健康と心の成長について考えたい。子どもとスポーツとの関わりについて、近年はどのような課題があるか。

川合 日本のスポーツ界から世界トップクラスの選手が数多く誕生するようになった。これは喜ばしいことだが、一方で運動をしない子どもも増えていると感じる。

谷本 スポーツの習い事などで日ごろから運動をする子と、スポーツの習慣のない子との体力差の開きも大きくなってきた。運動をしている子どもの体力は落ちていないが、運動をしない子どもたちの体力が著しく低下し、子どもの平均的な体力値も年々低下している。

竹下 小学生の息子を2人育てているが、ボール遊びができる場所や時間が制限されるなど、外で遊びながら自然と体力を身につけることが、今の子どもにはとても難しいと実感する。

大山 外で遊べる場が限られているほか、勉強や習い事などで子どもが自由に過ごせる時間も少なくなっていることも気がかりだ。

川合 屋内の遊びの選択肢が増えたことも、外で遊ばない子どもの増加に影響しているようだ。

谷本 子ども時代の運動経験が、大人になってからの運動習慣に影響を与える可能性は高い。運動不足は心疾患などの疾病の原因となることを、WHO(世界保健機関)も指摘している。子どもの健やかな成長のためにも、生活の中に運動を取り入れることは大切だ。

一方で子どもがスポーツに熱心に取り組みすぎることのリスクもある。たとえば子どものころの肩の故障によって、上腕骨の成長が止まることがある。けがや酷使によって子どもの身体の成長を止めることのないよう、注意すべきだ。

佐藤 子どもの精神に負担をかけるような過度に厳しい指導も課題として指摘される。子どもとスポーツとの向き合い方を、大人はどのように支えていけるか。

竹下 私自身はバレーボールの競技人生において、結果を出すことにこだわり続けて自分を追い込んだ。私の身長は159㌢㍍で、高さが重視される競技で、低身長の自分が生き残るには勝つしかないのだと必死だった。

ただ、勝つことの喜びも大きいが、スポーツの価値はそれだけではない。指導で一番大切なことは、楽しみながらスポーツに取り組めるような声かけではないか。

大山 私も引退後の学びの中で、スポーツをしていて楽しい、夢中になれるといった気持ちに勝る価値はないと思うようになった。指導者は、厳しくしなければ子どものためにならないという考えから脱却するべきだ。

大人の見守る姿勢重要

川合 私自身も学生時代には練習がきつくてたまらなかったが、高校3年生からは練習に前向きに取り組めるようになった。監督が月1回しか練習に来なくなり、練習メニューを自分たちで決めるようになったことがきっかけだ。主体的にバレーボールに取り組んでいると実感できたことで、体力的にきつい練習にも楽しく積極的に取り組めた。このときに身につけた自分で考え行動する力は、日本代表になってからも生きた。

子どものうちは特に、主体的に取り組みながらスポーツの楽しさを知ることが大切だ。子どもの主体性を引き出せる指導者の育成に、一層力を注ぎたい。

谷本 やらされ感なく主体的に取り組める環境づくりが大切だ。運動強度が高く、身体的にはつらいトレーニングでも、主体的に取り組めば楽しめる。スポーツに懸命に取り組むことと、楽しむこととは相反しない。

竹下 楽しい気持ちや笑顔を引き出すためにはどのような声かけが適切か、実践の中で考え続ける。子どもの笑顔は親の喜びでもある。今後もスポーツを通じた親子の喜びの連鎖を支援していきたい。

大山 スポーツを通じた目標達成に取り組む子どもを、周りの大人は一歩引いたところから見守ることが大切だ。結果ばかりでなく、努力したところや成長したところに目を向け、認めてあげてほしい。

私にとってバレーボールに打ち込んだ時間は財産だが、小学生時代からの過度な練習が原因で腰を痛めるなどの犠牲もあった。

今後、スポーツに打ち込むことで子どもの心身の健やかさが損なわれることのないよう、自分の思いや経験を子どもたちに伝え続けたい。

佐藤 楽しみながらスポーツに打ち込む中で体力がつき、考える力や主体性が育まれる。そうした環境を子どもたちに与えるためにも大人の意識改革が必要だ。

◇  ◇  ◇

※本フォーラムのアーカイブ視聴はこちらから

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