ひらめきブックレビュー

脂質と糖質、どちらが太りやすいか 栄養素と体の関係 『本当に役立つ栄養学 肥満、病気、老化予防のカギとなる食べものの科学』

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■栄養学の最新知識をアップデート

「脂質と糖質はどちらが太りやすいか」という論争も無意味という。生物には余ったエネルギーを脂肪として蓄えるしくみがあるため、脂質を食べたときばかりでなく、糖質(例えばデンプンからできているおもち)を食べすぎたときにも体脂肪は増えるからだ。

このように科学的な観点から、気になる栄養の話題を網羅しているのが本書の魅力だ。食物繊維、プリン体、酵素、コラーゲン、コレステロール、ポリフェノール、魚を食べると頭が良くなるのか等々、興味深いトピックスが豊富に登場する。著者は、特定の食品を勧めるわけでもなければ、逆に否定することもしない。ニュートラルな科学的事実は素直に受け入れやすい。

栄養学の世界は、毎年のように発見があり、健康への評価が簡単に逆転する流動的な面もある。本書で最新の知識をアップデートすることをお勧めしたい。

今回の評者 = 戎橋 昌之
情報工場エディター。元官僚で、現在は官公庁向けコンサルタントとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。大阪府出身。東大卒。

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