■アーティストを応援するユーザーを応援
タワレコの日本法人は02年に独立している。株式の過半を所有するNTTドコモの子会社であり、セブン&アイ・ホールディングスも資本参加。盤石な経営基盤を有している。
加えてタワレコはさまざまな事業戦略を実行してきた。「NO MUSIC, NO LIFE.」の広告展開、各店舗のお客様本位の店づくり、インストアライブの開催などだ。ネット通販を97年と早期に立ち上げ、21年10月からはレコチョクとのコラボでサブスクリプション(定額制)配信サービスを始めた。
本書の取材で、タワレコのスタッフたちは「アーティストを応援するユーザーを応援するお店です」と口をそろえたそうだ。音楽を「消費」するのではなく、アーティストを「応援」するのであれば、おのずとCDという形に残るものを手に入れようとするのではないか。そんなユーザーを、タワレコはCDを販売することで応援する。そうした、いわば「心のサプライチェーン」とでもいうべきものも、タワレコの強さに寄与しているのだと思う。
そんなタワレコをこれからも「応援」したくなった。
今週の評者 = 吉川 清史
情報工場SERENDIP編集部チーフエディター。8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」の選書、コンテンツ制作・編集に携わる。大学受験雑誌・書籍の編集者、高等教育専門誌編集長などを経て2007年から現職。東京都出身。早大卒。
情報工場SERENDIP編集部チーフエディター。8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」の選書、コンテンツ制作・編集に携わる。大学受験雑誌・書籍の編集者、高等教育専門誌編集長などを経て2007年から現職。東京都出身。早大卒。