■駅員に必要な強いメンタル
駅員として理不尽にもめげずに働くには、乗客に怒鳴られても引きずらない「強靱(きょうじん)なメンタル」が何より必要だという。著者が意識していたのは、自分に非がなければ毅然と対応することだ。駅員に限らず、仕事で矢面に立たされた場合の教訓として心得ておくとよさそうだ。
著者は意外なことに、苦情を聞くことで「見方が広がった」とさえ言っている。とんでもなく多種多様な人が集まる駅は、確かに「いろいろな考えや価値観に触れられる場」と捉えることもできる。
いわば駅員とは、人間の多様さ、理不尽さを受け止めるプロフェッショナルなのだ。他者への許容度が低くなったと感じたら、本書が助けになるかもしれない。
今週の評者 = 安藤 奈々
情報工場エディター。8万人超のビジネスパーソンに良質な「ひらめき」を提供する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」編集部のエディター。早大卒。
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