日経メタバースプロジェクト

日経メタバースコンソーシアム、プロジェクト元年を総括 日経メタバースコンソーシアム特集

パネル討論 メタバース

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第1回未来委員会の概要 国と事業者が抱える課題

持続可能なメタバース空間の利用を促進し、メタバースによる日本の産業を振興することを目的にスタートした日経メタバースプロジェクト。その推進母体となる未来委員会の第1回は、メタバース空間の普及に必要な現状の課題について意見交換が行われた。

海外では、プラットフォームのルールメーカーのポジションを目指して、激しい覇権争いが繰り広げられている。国内ではコンテンツ分野の開発が先行気味だが、プラットフォーム間の互換性や仕様の標準化、通信環境の整備、インターフェースの開発などを同時に推進していく必要がある。

メタバースを活用したビジネスを展開するには、強固なセキュリティーや認証、ガイドラインや法整備が求められる。国や業界が一丸となって取り組んでいかなければならない。

一方、事業者側の課題としては、初期投資の負担や、長期的な人材育成の必要性が挙がった。加えて、リアルを単にバーチャルに置き換えるだけではなく、バーチャル空間ならではの価値の創出も鍵となる。

 

第2回未来委員会の概要 デジタルツインの活用を

メタバースの事業化・実装に向けて、主に技術的な面から議論が交わされた。

現実世界の情報をデジタル化し、仮想空間上に再現するデジタルツインは、メタバース事業の核となる技術の一つだ。製品開発の際のデザインや動作などのシミュレートに端を発する同技術を防災などに活用するには、平面の地図情報に加え、3D(立体)情報、時系列のビッグデータなど、膨大なデータが必要となる。国土交通省が主導する3D都市モデルのオープンデータ化プロジェクト・プラトーはこれらの基盤となる。

デジタルツインはエンターテインメント分野などでの活用も期待されている。一方で課題も多い。ユーザーの期待値と現実のギャップ。また、デバイスなどの制約から可能なユースケースが絞られてしまうこと。それに伴い、マネタイズできるポイントも限られる。メタバースが普及すれば、生活様式や産業構造が大きく変わる。トラブルを防ぐ仕組みや法規制なども含め、過渡期をどう乗り越えて社会受容性を高めていくかが重要だ。

 

第3回未来委員会の概要 メタバース空間での働き方

第3回のテーマは、メタバース空間で多様化する働き方。リアルな場所にとらわれずに働けるメタバースは、居住地選択の自由度を高め、地方創生にもつながる。年齢の制約も受けないため、培ったスキルを因数分解し、再統合して活用することが可能になる。高齢化の進む我が国において、労働力不足を解決する切り札となり得る。

加えて、人と人工知能(AI)の協調作業にも適しており、「チャットGPT」など生成AIの進化はメタバースの可能性をさらに広げるだろう。

メタバースに業務の場が移行すれば、優秀な人材を世界中から雇用しやすくなる。時差などにも配慮した労働環境の整備が優秀な人材の定着率を高め、企業の成長にも直結する。

総務省では、有識者と共にメタバースに関する課題の洗い出しをしている。ユーザーが増えるほど、リテラシーやモラルが問われる。また、メタバースは多くの電力を消費する。二酸化炭素(CO2)の排出などの対策も併せて講じていく必要がある。

 

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