フィンテックサミット2022特集

生保領域超え、新たな価値提供するプラットフォーマーに アフラック生命保険 二見取締役専務執行役員講演から

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アフラック生命保険は「アフラックのオンライン相談」やAI(人工知能)を活用した「募集人育成AI」など、デジタルテクノロジーを活用したサービスを次々と提供している。2022年4月にはクラウド型のデジタルサービスプラットフォーム「ADaaS/Aflac Digital as a Service」の提供を始めた。同社の取締役専務執行役員・CTO(チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー)・CDIO(チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)である二見通氏は「将来はADaaSを生命保険事業の領域を超えた、社会に貢献できる価値を創造するプラットフォームへと育てたい」と語る。「がん保険のパイオニア」である同社は、未来に向けてどのようなビジョンを思い描いているのか。二見氏が「FIN/SUM2022」で行った講演の内容を紹介する。

コアバリューに基づく独自のDX戦略を推進

当社は1974年に「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」との思いから、日本初のがん保険と共に創業しました。以来、創業の思いやブランドプロミス「『生きる』を創る。」などに表されるコアバリュー(基本的価値観)に基づいたCSV(共有価値の創造)経営を実践してきました。

近年では、当社のコアバリューに基づく独自のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略「DX@Aflac」を3つの柱で推進しています。

1つ目の柱は「『生きるための保険』を中心としたコアビジネスの領域」 で、デジタルテクノロジーやデータを利活用して顧客にとって価値のある最適な商品・サービスを提供することです。

2つ目の柱はコアビジネスの領域以外の、社会の変化に対応する「新たな事業領域」においても、デジタル技術やデータを最大限に活用して新たな商品やサービスを提供することです。

3つ目の柱はDXを支える基盤の構築です。「DX@Aflac」を支える土台として、データ分析基盤の強化、システム開発基盤・インフラ基盤の再構築、組織・人財の育成に力を注ぐことです。

リアルとデジタルの融合で一貫した体験価値を提供

デジタル技術を活用したサービスの提供だけでなく、顧客とのリアルの接点も大切にしています。生命保険事業には、商品特性や取り扱う情報の性質上、細やかな心配りが求められ、デジタルだけで顧客のニーズにお応えするのは困難です。だからこそ当社は、販売代理店や当社の従業員が顧客と接するリアルな接点とデジタルでの接点を融合させ、全ての接点において一貫性を持った体験価値を顧客に提供することで、感動的なユーザー体験を創出することを目指しています。

そうした思いから、2022年4月からADaaSのサービス提供を段階的に開始しています。このサービスは、販売代理店向け、ビジネスパートナー向け、顧客向けのすべてのデジタルサービスを1つのクラウドサービスプラットフォームとして束ねたもので、利用者がサービスメニューの中から希望するサービスだけを選択して利用できます。デジタル空間上での店舗開設を可能にする「デジタルほけんショップ」や、顧客の趣味嗜好や相談ニーズに応じ、AIが最適な販売代理店の担当者を紹介する「募集人マッチングサービス」、AR技術を使ってアバターが商品の情報を伝える「ARチラシ」などの様々なサービスを提供します。

この取り組みを通じて販売代理店やビジネスパートナーのDXを支援し、効率的・効果的な営業活動とその他の業務を支援することを目指しています。

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