フィンテックサミット2022特集

三井物産、デジタル技術駆使した投資商品を拡大 金連動「ジパングコイン」・不動産など裏付け証券

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デジタルとコモディティでお金の流れ変える

――ジパングコインの今後の事業展開は。

加藤社長「まずは暗号資産業界での取り扱いをデジタルアセットマーケッツ社以外に拡大する予定です。暗号資産業界で一定の取引ができた後は、金融商品取引法の対応を行い、証券会社など他の金融機関でも取り扱うことのできる体制を構築して、暗号資産投資家のみならず、金融業界の投資家の皆様にもご利用いただける環境を提供させていただく方針です。投資家でない一般個人の利用についても、同時並行で準備をすすめる予定です。一般個人への最初の機能提供は各種ポイントでの購入を可能にすることだと考えています。すでにポイントで投資信託やビットコインを購入するサービスが徐々に提供されはじめていると思いますが、より魅力的でわかりやすい金とのポイント交換を、ジパングコインで実現したいと思います。ジパングコインを小売店で支払い手段として活用するのはその延長線上にある機能だと考えており、さらに利便性を高めるために、一定量ためて頂いたジパングコインを金現物と交換できるような機能も備える予定です」

――業界における2つの会社の立ち位置を教えてください。

加藤社長「デジタルアセットと呼ばれる業界は3つに大きく分かれていくと思います。1つ目がデジタル通貨。今後の法整備後に円を裏付けとする『ステーブルコイン』が実現されると言われています。2つ目が三井物産デジタル・アセットマネジメントが手がけるデジタル証券です。そして3つ目の暗号資産業界は、ジパングコインの登場で今後はデジタルコモディティ業界として分類することも可能になるのではないかと考えています。ジパングコインのようなコモディティの暗号資産は、投資商品と支払手段という2つの機能を備えており、デジタル通貨ともデジタル証券とも親和性がある非常に優れた商品であると認識しています。三井物産デジタルコモディティーズが発行するジパングコインはデジタルアセット業界全体に影響を与える商品だと思います。日本に欠かせないデジタルインフラとなるように事業を発展させていきます」

――金融でどのような新しいビジネス機会を開拓しますか。

上野社長「デジタル証券を円滑に普及させるため、当初は不動産やインフラ資産を投資対象としますが、最終的にはデジタル証券を通じて新しい金融、お金の流れを生み出せればと考えています。明治時代に手元で保管していたお金を預金として銀行に集め、大きな資本として社会に還流させる仕組みができ、その後の経済発展に大きく貢献しました。現代社会においても、資金を必要とするニーズそのものは変わっていませんが、事業の成否によらず返済義務がある融資よりも、ある程度まで事業のリスクや成果を共有できる柔軟性の高い資金ニーズの割合が高まっていると考えます。資金の出し手にとっても、預金のように元本保証はされているが、利息は限りなくゼロに近いものより、ある程度のリスクはあっても収益も期待できる金融商品を望む声は小さくありません。もちろん、株式などのリスクよりも大きくならないよう、提供する金融商品は厳選し、比較的安全性の高い商品を中心に提供する計画です。不動産やインフラ資産はそうした投資に適しています」

上野社長「金融サービスは突き詰めると決済と運用に集約されます。デジタル証券は工夫次第で投資家にとって新しい運用機会、運用体験をもたらす投資商品となる可能性を秘め、金融機関にとっても新しいビジネスを生み出すチャンスです。明治時代の銀行業は普及するまでに長い時間を要したと聞きますが、これから5年、10年の時間軸で新商品の開発を進めていきます」

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