フィンテックサミット2022特集

三井物産、デジタル技術駆使した投資商品を拡大 金連動「ジパングコイン」・不動産など裏付け証券

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――三井物産デジタル・アセットマネジメントの概要と商品を教えてください。

上野社長「当社は『デジタル証券』を専門的に取り扱う資産運用・証券会社として設立し、必要なライセンスを取得して21年10月に本格的な営業活動を始めました。三井物産は05年に日本初の物流施設特化型Jリート『日本ロジスティクスファンド投資法人』を設立するなど不動産証券化事業の一環で個人向け金融商品を組成してきました。ただ、Jリートは市場の影響を受けるので投資元本の価格が大きく変動することがあります。一方、価格変動が小さいとされる商品は預金や債券のように投資収益が小さくなってしまうことも多いのが実情です。三井物産は個人投資家の期待に応える機会があると考え、ブロックチェーンなどのデジタル技術に詳しいLayerX(レイヤーX、東京・中央)と合弁で当社を設立しました。その後、SMBC日興証券と三井住友信託銀行、JA三井リースも株主に加わりました」

上野社長「取り扱うデジタル証券は不動産やインフラを裏付け資産とし、価格変動リスクを抑えながら安定的な配当収益を得られる商品性を目指しています。(金融商品をデジタル資産にする)トークン化された『セキュリティトークン』とも呼ばれる有価証券に加えて、情報の透明性や正確性を高めて自らが投資対象を直接保有しているかのような手触り感のある投資体験をデジタル技術を通じて実現する新しいサービスを意味します。デジタル技術を活用して投資商品の発行・流通やアセットマネジメント業務の事務・取引コストを下げられれば、従来はプロ投資家向けに組成・運用していた大型不動産やインフラの受益権を小口証券化し、個人投資家に販売することが可能になります」

ヘッジ取引モデルを一般に提供

――大手総合商社がなぜ金融ビジネスに着目したのでしょうか。

加藤社長「我々が所属しているコーポレートディベロップメント本部の商品市場部はコモディティのトレーディングを30年以上手掛けてきました。そのビジネスモデルはファンドのように大きく相場を張って価格の上下動で利益を上げる手法ではなく、基本的には商品価格の変動リスクにさらされている顧客企業にヘッジ手段を提供し、ヘッジ取引から生まれる取引のフローを利用して自己取引で収益を上げます。顧客企業に活用いただくには価格競争力と高い信用力が必要です。長期的な信頼関係を構築することを心掛けた結果、現在、全世界で1000社近くと取引しています。こうした企業対企業の取り組みをいつか一般の方々にも広げていきたいと思っていました。日本では20年以上インフレのない状態が続いてきましたが、ここにきて様々な世界情勢の影響で急激な物価上昇に見舞われています。ジパングコインは一般個人の方々にとって、誰でも手軽にインフレ対策ができる有効な手段だと信じています」

加藤社長「金は初めの一歩で、今後は原油などのエネルギー関連商品や、二酸化炭素(CO2)排出権などもジパングコインでデジタル化したいと考えています。例えば、ガソリンのジパングコインが実現すれば、一般家庭で使用する1年分のガソリンコインを先に買って家計を安定させることができるでしょう。様々な生活に密着した商品に対し、これまで企業しかできなかった値上がりへの備えが、一般個人でも手軽に行える世界がブロックチェーン技術を活用して実現できると確信しています」

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