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売ることを主目的としない店 ベータは日本で成功するか

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新型コロナウイルス禍を受けてEコマース(電子商取引)が一段と普及したが、最近はこの流れに逆行するようにリアルの店舗で販売を強化する企業も増えている。オンラインからオフラインへの回帰を象徴するのがRaaS(小売りのサービス化)と呼ばれる販売形態だ。日本国内における先駆けとなる体験型店舗「b8ta(ベータ)」を運営するベータ・ジャパン(東京・千代田)を取材した。

企業と消費者を直結させる店舗

ベータは米国が発祥の地だ。2015年にサービスを開始し米国内で23店舗まで広げたが、コロナ禍によるロックダウン(都市封鎖)などが影響して22年2月に全店を閉めた。

一方、日本での事業を担うベータ・ジャパンは20年に開業し、現在は東京都内の新宿、有楽町、渋谷と埼玉県越谷市に計4店舗を展開している。同社は21年に米国のベータ社からライセンスを買い取って独立し22年に株式会社化した。4月と6月に第三者割当増資で6億円前後の資金を調達して事業拡大を目指している。

ベータは顧客となる企業に出品場所としての店舗スペースを提供するほか、接客対応を代行する。店内に設置したカメラを活用して集めた顧客データや、来店客の商品に対する反応などの情報を出品企業に提供する仕組みだ。

来店客は事前に商品を試せるので安心して購入できるほか、様々なブランドの新商品をまとめて体験できる。店舗で買うこともできるが、基本的にECサイトにアクセスして購入する。展示スペースには商品を説明する文字情報はほとんどなく、調べたいときは表示されたQRコードからスマートフォンで商品情報サイトを呼び出す。

出品料金は1区画(40㎝×60㎝)あたり月額約30万円。契約は基本的に3カ月単位で、継続する場合でも3カ月を期限として商品を入れ替える。商品を頻繁に入れ替えて、来店客に新しい体験を提供するのが狙いだ。

代表取締役の北川卓司氏はベータのビジネスモデルを不動産業に例え、「貸し出すスペースの数に応じて売り上げがある」と説明する。4店舗を合わせて約340区画ほどになる。月額約30万円なので単純計算すれば月間1億円以上の売り上げになる。

米国と異なるビジネスモデル

米国で頓挫したベータの事業は日本国内で成功できるのか。記者の質問に対して、北川氏は「米国と日本のビジネスモデルの違い」を強調する。米国では出品料を売り上げ歩合制で設定していた。コロナ禍で客足が減ったことで売り上げが減り、米国での閉店の原因になったという。一方、日本は面積に基づいて出品料を設定し、来店客の減少は米国ほど顕著ではなかったという。

北川氏は「コロナ禍を機にEコマース市場の競争が激化している」と指摘する。Eコマースは実際の店舗に比べて運営費用を低く抑えられる。しかし、競争激化で広告費などが上昇したほか、差異化のためにさらに費用をかける必要が生じた。この結果、リアル販売に比べてのコスト面での優位性が低くなってきたという。

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