仕事をするうえで、私の根底にあるのは新卒として入社した「リクルート」という存在だ。私とリクルートは切っても切り離せない。今回はそんなリクルートでの学びを個人的な視点でお伝えしたい。このリクルート魂がみなさんの仕事やマネジメントにいきる部分があると思う。
私は2008年、リクルートに入社した。顧客企業に新卒・中途採用や人材の評価・育成などを支援することで事業成長を後押ししてきた。従業員1名の企業から日本のトップ企業、外資系企業まで規模を問わず関わってきた。業種もメーカー、金融、官公庁、サービス業、医療、外食などほぼすべてを担当した。社内でもマネージャーとして、新人からベテランまで幅広い層のマネジメント業務に従事してきた。
現在は企業のバックオフィス系業務(人事、労務、営業事務など)をオンラインで代行するサービスを行うニットで広報を担当している。広報業務は未経験だったが、周囲を巻き込みながらチャレンジし推進していく力や、メンバーと一緒に作り上げるマネジメント力は、リクルートで培った経験やノウハウがあるからこそできている。
全員参加の採用面接でリクルートの良さ再認識
まず、リクルートが圧倒的にこだわっているのが、採用だ。
■リクルート採用8カ条■
(2)リクルートに入りたいヤツではなくリクルートとして採りたいヤツを採れ
(3)熱くリクルートについて語れ
(4)本音の仕事観を語れ
(5)入社動機はドラマチックに語れ
(6)自分一人でなく周囲を巻き込め
(7)大胆に口説け
(8)採用は営業だ
リクルートの自社の採用活動方針をあらわしたもので、採用活動への本気度が分かりやすく表現されている。よく顧客にも「採用を強化したいのなら、会社の中で一番優秀な営業マンを人事担当にしてください」と伝えていた。これにより、会社が採用に本気、ということが伝わる。また優秀な営業マンを採用担当にすることで応募者への口説き力が上がるため、内定承諾率が上がる。まさに、リクルートでは、こういった標語をつくって掲げていることが採用に本気であることのあらわれだ。
採用は「全員採用」ということを実施していた。これは、新卒採用の面接官として、社員全員が駆り出されて、面接をしていくスタイルだ。
◆全員採用の4つのメリット
1、面接の数を増やすことができる
2、学生はいろんな人の声を聴くことができる
3、面接官の帰属意識が高まる
4、優秀な人材の退職防止につながる
毎年、大量の面接数が発生する新卒採用は、一般社員も駆り出されて、面接官トレーニングをし、面接に挑んでいた。これにより、学生に対して「リクルートって、こういうところが良い会社だ」「僕は、こういった成長がありました」など、面接官自身が自分の経験を元に会社への思いを表現することで、入社動機を思い出したり、リクルートの良さを再認識したりすることで、面接官本人が退職することを防ぐ仕組みにもなっている。