在宅勤務などテレワークをするなら「週2~3日」が効率的--。緊急事態宣言中にテレワークを経験したビジネスパーソンに聞いたところ、こう考える人が6割に達した。同宣言解除後も週3日以上テレワークしている人が大半だが、在宅では仕事上のちょっとした疑問を聞きにくかったり、チームでの仕事に支障があったりすることがわかったためだ。テレワークを経験したことで、オフィスで働くことのメリットを改めて認識したようだ。新型コロナ禍の収束のメドがたたない中、ビジネスパーソンは在宅勤務とオフィスでの仕事のいいとこどりをして快適に生産の高い仕事をしたいとしているようだ。
調査は6月8日~16日、全国の働いている日経BizGate会員を対象にインターネットで実施した。緊急事態宣言中(4月7日~5月25日)に在宅勤務などテレワークをしたと回答した、20~60代の有効回答1329件を集計した(詳細は文末)。
緊急事態宣言解除後のテレワークでの勤務の現状を聞いたところ、最も多かったのは「週5日以上」(26.5%)で、次いで多かったのは「テレワークしていない」(17.1%)だった。大企業を中心に引き続き「原則テレワーク」としている企業は多いものの、対応は企業ごとでまちまちのようだ(表1)。
<表1 テレワークの現状と理想>
しかし、「どのくらいの頻度のテレワークが効率的か」と理想を聞いたことろ、「週2日」(28.4%)と「週3日」(30.2%)で計58.6%を占めた(表1)。「テレワークしないほうがよい」は5.3%にすぎない。今後もテレワークを継続したいが、効率的なテレワークの頻度は「週2~3日」と考えるビジネスパーソンが多い。在宅勤務とオフィスでの仕事をバランス良く進めたいという意識がみえるようだ。
<表2 テレワークで気づいたこと>
ビジネスパーソンのこうした意識の背景には、テレワークの経験を通じて、オフィスワークのメリットを再認識したことが挙げられる。「テレワークでは仕事上のわからないことやちょっとしたことを聞きにくい」かどうか聞いたところ、「そう思う」(19.3%)と「ややそう思う」(36.9%)で計56.2%を占めた(表2)。「テレワークではチームワークに支障がある」かどうかでも、「そう思う」(10.6%)、「ややそう思う」(40.0%)で計50.6%と過半数を占めた(表2)。
ニューノーマル(新常態)時代の新たな働き方として、原則テレワークを打ち出す企業もある。しかし、アンケートを見る限り、ビジネスパーソンはテレワークとオフィスワークのそれぞれのメリットを生かす、しなやかな働き方を模索しているようにみえる。企業側には働くための柔軟な環境をつくることで、生産性向上を目指す取り組みが求められているようだ。
(町田猛)
※アンケートでご回答いただいた、テレワークに関するビジネスパーソンのご意見の一部を7月14日発行の日経BizGateメールマガジンで紹介します。