日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第19回はシステム開発・ITコンサルなどを手がけるコアコンセプト・テクノロジーの金子武史CEOと田口紀成CTOです。
長いスパンで付き合う
長島 まずCCT(コアコンセプト・テクノロジー)について教えてください。
金子 2009年に設立して来年で創業10年です。社員135人、売上高32億円ほどの規模になりました。顧客は製造業が売上比率で50%と大きく、金融、流通も約20%ずつで、日本の3大産業へのビジネスを意識しています。事業としては最初に業務分析や解析から入り、顧客に対する理解を深めながらシステム開発で幅を広げて、その後システムエンジニアリングで運用まで支援することも手がけています。このような「長いスパンでお付き合い」できる事業構成で進めてきました。
事業で私たちが重視してきたのは「顧客取引の継続」です。各社との取引が翌年も減らなければ、自然と成長につながります。そのためにどうするか。例えば、目の前の顧客に応えるために皆で汗をかく、それが相手との信頼関係を深めて継続につながっていきます。弊社はこうして地道に、1社1社と実績と信用を積み重ねてきたので成長できたのだと思います。
企業理念として「Think Big, Act Together.」というメッセージを掲げています。私たちが永く世の中に貢献しうる企業になっていくには何が大切か、それを考えフレーズに落としたものです。
長島 「Together」の範囲はどこまでですか。
金子 ステークホルダー全体です。社員との一体感は重要ですが、顧客とも協創・協働でつくり出す姿勢を大切にしています。目標に向け、一緒に取り組んでいきたいという姿勢です。
田口 我々はすべてを自前主義でそろえようとは考えていません。すでに存在するものであれば買ってくればよいと考えます。パートナーと組んでスピード感をもって実現することが最優先です。