意外と会社は合理的 ―組織にはびこる「理不尽」のメカニズム―

なぜ会社はそんなに理不尽なのか レイ・フィスマン、ティム・サリバン

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2008年の生活時間調査によると、25~54歳までの子供のいるアメリカ人労働者は、平均して1日の3分の1以上にあたる9時間近くを仕事と"仕事に関連する活動"に費やしている。それは食事と睡眠の時間の合計に匹敵するほどだ。愛する家族と過ごす以上の時間を、仕事仲間と過ごしているわけだ。

一緒に過ごす時間があまりにも長いので、同僚が家族の代わりになることもある。"職場妻(もしくは職場夫)"という言葉をご存じだろうか。プラトニックな関係だが、配偶者と同じくらい親密な異性を指す。家事の負担やカネの問題でもめることがない分、本当の夫婦よりいい関係かもしれない。ある調査では、回答者の65%が「職場妻もしくは職場夫がいる」と答えていた。

これは仕事時間の増加という世界的なトレンドを映す、新たな指標とみることができるだろう。1980年代初頭から労働時間は増加傾向にあり、電子メールやスマートフォンの普及で、仕事によるプライベートの侵犯は行きつくところまで行った感がある。労働者が仕事場を離れることはできても、仕事が労働者を離れることはない。

職場にいる時間がこれほど長いのに――というより、そのせいか――労働者の多くは自らの仕事に意義を見いだすことに苦労しており、諦めてしまう人も多い。会社のことなどばかばかしくて、考えるだけ無駄というわけだ。こうしてシニシズムに陥り、皮肉な物言いやオフィスジョークを口にするようになる。そこにはお決まりのパターンがいくつかある。部下が何をしているか、さっぱりわかっていない無能な管理職、目標共有の失敗、本質的な目標の欠如、データや事実のあからさまな軽視、歪んだインセンティブや縦割り主義、新たな課題への古めかしい対応、上層部から降ってくる無意味な指示、人事部門が打ち出す高邁な方針とかけ離れた、パーティションに囲まれたちっぽけなキュービクルをあてがわれた一般社員の現実――。挙げていけばきりがない。

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