本当の儲けを生み出す戦略と会計のマネジメント

有機的つながりがイノベーションの土壌を作る 鳥居 正直氏

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イノベーションは突然起こるものではない

以前の回で述べた通り、戦略目標値は現状からの飛躍を目指すものですから、その達成には何らかのイノベーションが必要になります。ここでは、イノベーションを起こす土壌について考えてみます。

イノベーションというと、何か特別な技術やサービスの発明が先にあってそれをもとに新たな顧客需要を創出するようなケースを連想しますが、多くのイノベーションは、戦略に含めた「もし、~できるようになれば、目標を達成できるだろう」という飛躍の仮説を実現させる努力から生まれるものです。そして、その飛躍の仮説には根拠がなければなりません。それまでにいろいろな部門や人たちが一貫性を持って相互に連携し合って積み重ねてきた成果というイノベーションの土壌が必要です。

日頃からの積み重ねでイノベーションの土壌を育てておくためには、皆が「戦略メカニズム」を理解し、そのなかに自分の役割を位置づけながら仕事をすることが大切です。

たとえば、遊園地の清掃員が自分たちの役割を「お客様に楽しい時間を過ごしてもらう」という顧客価値作りにあると意識していれば、清掃の仕方やお客様との接し方を工夫したり、新たな顧客ニーズに気付いたりできるはずです。また、製品の配送トラック運転手が、各店舗の雰囲気や立地環境の変化などPOSデータを補う貴重な情報をもたらすことも期待できます。

そして、部門間や従業員間の有機的つながりが時間を越えて働いている組織では、こうした小さな成果が相乗効果を生みイノベーションにつながっていくのです。近代建築家の巨匠と言われるミース・ファン・デル・ローエの「神は細部に宿る」という言葉がピッタリと当てはまるように思います。

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