グローバル競争時代のものづくり ~日本企業復権への10カ条

世界で何が起こっているのか?~ものづくりの勢力図を塗り替えたグローバル化とデジタル化 東京大学大学院経済学研究科  ものづくり経営研究センター特任研究員 吉川良三 氏

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✕ 「国際化」と「グローバル化」は同義
         
◯ 経営戦略のグローバル化が急務

初回(「"ゆでガエル"と化した日本企業」)で述べたように、2000年代以降、ものづくりをめぐる競争環境に大きな変化をもたらした要因として、「国際化からグローバル化へ」と「アナログものづくりからデジタルものづくりへ」という、2つの潮流を押さえておく必要がある。これらに対しては本来、これまでの生産の考え方を変えなくてはならないほどの改革が必要なはずなのだが、果たしてどれだけの日本企業が「グローバル化」と「デジタル化」の意味するところを正しく認識しているだろうか。

巨大な新市場を獲りにいく覚悟

ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を取った「BRICs」という言葉が最初に用いられたのが2001年。BRICsをはじめ新興国の経済規模(購買力)が今後どうなっていくかについてはさまざまな予測が出されているが、その方向性はおおむね一致している。例えば、経済協力開発機構(OECD)は、2012年11月にまとめた「2060年までの長期経済成長見通し」で、「今後50年、躍進を遂げる新興経済が世界のGDP(国内総生産)の大部分を占めることとなり、世界経済のパワーバランスは劇的に変わる」と予測している。

これら新興国は現在、ものすごい勢いで消費活動を拡大している。経済産業省では、アジア・アフリカの新興国における家計所得5000ドル~3万5000ドルの「新中間層」は、2010年の16.6億人から、2030年には23.6億人に拡大すると試算している。なかでも、消費意欲が高い家計所得1万5000ドル~3万5000ドルの「上位中間層」は、2010年の2.5億人から8.9億人へと、爆発的な増加が見込まれている。

日本企業はこれまで、国内や一部の先進国だけを相手に、高品質の製品をつくる努力を続けてきた。1990年代までの日本のものづくりは、極端にいえば日本国内と欧米だけを相手にしていれば成り立っていた。しかし現在は、圧倒的に人口の多い新興国の市場の重要性が高まっており、この流れは、今後も加速していくと予測される。日本企業がいまのジリ貧から脱したければ、視野を広げて、新しい市場があるところに積極的に出て行くしかない。これは基本的に、大手であろうと中小であろうと同じだ。

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