グローバル競争時代のものづくり ~日本企業復権への10カ条

サムスンは松下幸之助の精神に学んだ? 東京大学大学院経済学研究科  ものづくり経営研究センター特任研究員 吉川良三 氏

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◯ 新興国では一番買いたくない製品が「メイド・イン・ジャパン」

これまで8回にわたり、日本のものづくりの問題点とあるべき方向性について、筆者のサムスン電子での経験を踏まえながら検討してきた。本連載の読者には筆者が、「すべてにおいて日本企業はサムスンのような韓国企業に学ぶべきだ」と言っているように受け取られているかもしれない。

日本企業に約30年勤めた後、韓国に渡り、サムスン電子の改革や李健熙(イ・ゴンヒ)会長のやり方を目の当たりにしたとき、筆者が大いに驚き、学ぶべき点が多いと感じたことは確かだ。しかし、その李会長自身、必ずしも日本企業とはかけ離れた発想や、日本企業とは真逆のアプローチによって成功したというわけではない。むしろ、パナソニック(旧松下電器産業)創業者で、「経営の神様」といわれる松下幸之助から多くを学び、その精神を実直に受け継いで実践しているところに、今日の成功の起源があるということをぜひ知っていただきたいと思う。

幸之助と李会長の驚くべき類似点

2010年9月、パナソニックから講演を依頼された際、筆者は空き時間を利用して大阪・門真市の本社敷地内にある「パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館」を訪れた。施設内を見学し始めて間もなく、筆者は既視感を覚えた。そこは、筆者が知っている「サムスン電子歴史館」と非常によく似ていたのだ。

最初筆者は、パナソニックがサムスンの成功に倣って、同じような施設をつくったのではないかと思った。だが、案内してくれた人に確認したところ、この施設がつくられたのは、サムスン電子が設立される前年の1968年とのこと。つまり、まねしたのはパナソニックではなく、サムスンのほうだったのだ。

展示の終盤、筆者は、松下幸之助が「商いの心」について語っているビデオ映像に釘付けになった。そこで言われていた「お客様大事の心」は、李会長が言う「不平不満を丁寧に聞け」と同じであることに気づいたからだ。

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