グローバル競争時代のものづくり ~日本企業復権への10カ条

地域密着型ものづくりで勝つ~「多品種少量生産」でも利益を出せる体制を構築しよう 東京大学大学院経済学研究科  ものづくり経営研究センター特任研究員 吉川良三 氏

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✕ 低価格、多品種少量生産では儲けられない
         
◯ 開発・設計のやり方を見直すことにより大きな利益を生み出せる

前々回(「競争力とは何か?~変化に対応し世界を制したサムスン」)、前回(「品質にも"松竹梅"がある~Q(品質)・C(コスト)・D(納期)の考え方を見直そう」)と、グローバル市場で消費者に選ばれるためには、品質や機能、価格など、現地のニーズに合ったものを素早く提供することが重要であり、それこそがサムスン電子が躍進を遂げた理由であることを述べてきた。ここで読者の皆様は、「新興国のさまざまなニーズに対応するため、多品種を低価格で提供していたのでは、儲かるはずがないではないか」という疑問を持たれるかもしれない。そこで今回は、サムスンがなぜ、多品種少量生産でも利益を出すことができるのかを考えてみたい。

「大量生産」ではなく「多品種少量生産」

サムスンは、世界シェアトップの薄型テレビで年5000万台、同じくスマートフォンで年3億台を上回るペースで出荷している。「同じ機種を大量生産し、安く販売してシェアを取っている」と思う人もいるかもしれないが、そうではない。これまでも説明してきたようにサムスンは、地域や顧客層に合わせて機能やデザインを変え、例えばテレビなら年1000から1500ものモデルを投入している。年間に出すモデルが2桁になるかならないかといった日本のメーカーとは、戦略が根本的に違うのだ。多品種である分、1機種当たりで見れば生産量も意外なほど少ない。

そうした「多品種少量生産」を基本に、価格を低く設定しても利益を出すことができる理由は、日本とは異なる開発・設計や生産のやり方にある。

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