スーパー経理部長が実践する50の習慣

黒字会社と赤字会社で異なる社員の「習慣」 前田康二郎氏

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予算にかかる心理的バイアス

繰り返しになりますが、予算を作る立場になれば、「売上は低く、費用は高く」計算し、提出する傾向が強くなります。「もし売上予算を達成できなかったら、また、もし予想より費用が多くかかってしまったら、あとで何を言われるかわからない」という心理が働きます。

ですから、ここで経理社員が過去の予算実績の資料なども参考にしながら、「より現実に近い目標数値」になるよう舵取りをしなければなりません。上方修正でも下方修正でも、「修正」となる以上、先に出した予測判断が大幅に間違っていた、ということは事実なのですから、予算と実績を見込む精度が会社としてなかった、と認めていることに変わりはないのです。そして予算には当然、新規ビジネスモデルの予算とその着地予想も入ってきます。新規ビジネスが成功するか否かは、投資家にとって投資判断における非常に重要な項目です。経理というのは、ただ集まった数字を集計するのではなく、それが「正しいのか」「ふさわしいのか」を見極める、それが仕事なのです。

予算を提出する側の人間は、保守的な数字になりやすいと述べましたが、厳しい経営者には、どんな数値を出しても「もっと売上伸ばせるでしょ」「もっと費用抑え込めるでしょ」と言われるケースが実際に多いです。要領のよい社員のなかには、そのやりとりも想定して、最初から調整分を考えて出してくる人もいます。そのときは、経理担当者はそれを理解したうえで、最終的な落としどころの数値を見定め、経営者と現場とのやりとりの末に、その数値に着地できるように、根拠を示しながらサポートをするというのがふさわしい仕事になります。

その際、予算を策定する現場担当者が、自分と対等なポジションの役職であれば、予算の策定段階からアドバイスをしてもよいと思います。また、自分より目上の人が担当者であれば、過去の予算や実績データを渡し、そのときに、自分なりの考察、予算を策定する際の注意点など、気づいたことをメモ書きにして一緒に渡すと、担当者もそれらを前提に、現実に近い予算を策定できるので、よいサポートができることでしょう。

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