模倣の経営学

デルもお手本にした「インドの露天商」 早稲田大学商学学術院教授 井上達彦氏

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「模倣は創造の母である」と言われる。トヨタもセブン―イレブンもスターバックスも、優れた企業を「真似て、超える」ことで成功した。お手本とする他者の本質を見抜き、自社で生かせる「儲かる仕組み」を抽出する創造的な模倣の方法を紹介する。

バナナと半導体の共通点は何か?

遠い世界から「お手本」を探すということに関連して、ここでちょっとしたクイズを出すことにしよう。

あなたは、次の4つのビジネスに共通する「何か」を言い当てることはできるだろうか?

・バナナ

・半導体

・コンビニ弁当

・ファッションアパレル

まず、バナナといえば「叩き売り」を連想するのではないか。叩き売りというのは、利幅を下げて売り切ること、横文字にするとバーゲンセールと同じ意味になる。バーゲンといえば、ファッションアパレルを思い起こす。季節の変わり目に、必ずと言っていいほど、バーゲンが行われている。

また、少し調べてみるとわかることだが、ハイテクの塊である半導体も叩き売りが行われている。実際、DRAMという汎用メモリーの場合、旬のときからわずか1年が経過しただけで、価格が10分の1にまで落ちてしまうこともある。

こう考えると、共通する「何か」とは、バーゲンにかかわることなのかもしれないように思えてくる。そう思われた方の直感は鋭い。

ただし、コンビニはバーゲンをしない。これをどう説明するかが悩みの種となる。

その理由を考えてみると、加盟店がバーゲンしたくても、本部が許さないという事情がありそうだ。裏を返せば、バーゲンをしてもおかしくないということである。実際、小さなコンビニでは、バーゲンも行われているし、大手チェーンであっても、店によっては、ちらほら安売りするところも出てきている。

ここまでたどり着けば、バーゲンというのが糸口だと結論づけてもよさそうだ。しかし、ここで「バーゲンこそが成功の鍵だ」と答えを急いではならない。むしろ、ここからもう一歩、「なぜ、バーゲンしなければならないのか」と問うてほしいのだ。

その問いからようやく本質的な共通性にたどり着く。それは、いずれも「腐りやすい」ということだ。

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