社長、その商品名、危なすぎます!

「えっ、大隈重信像も?」 意外なものが商標登録 弁理士 富沢正 氏

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「商標登録」をしてあるということは、土地の権利書を持っているようなもので、商品・サービスを特定してその商標をつけることを独占できる権利です。勝手に使った相手がいた場合には排除できます。同じ知的財産権でも、特許は20年で権利が切れてしまいますが、商標権は更新を続けていく限り、永遠に持ち続けることができます。

ビールのマークに忍ばせた「キ・リ・ン」の仕掛け

では、どんなものが商標となり、どんな場合には商標権を侵害したとされてしまうのでしょうか。

世の中には、たくさんの商品があふれています。そして、ほとんどの商品には何らかのマークや目印がついています。そのマークや目印が商標となります。

消費者はこのマークや目印を頼りに商品を購入します。そのため、商標は商品と切っても切り離せない関係にあるものです。

しかし、商標と聞くと、「商標って何?」と思われる方が多いと思います。ただし、ほとんどの商品に商標が紐付けられているとすると、同じく商標は世の中にあふれていると理解できます。皆さんにとって身近な商標探しをしてみましょう。

夜に飲む缶ビールを手に取ってみます。キリン株式会社が販売するビールに「一番搾り」という銘柄の商品があります。この缶ビール、よく見ると麒麟のマークと「一番搾り」の文字が目につきます。また、「生ビール」という言葉も目に入ってきます。

商品に書かれている文字のすべてが商標にあたるわけではありません。いま挙げた言葉でも、「生ビール」は、あくまで商品がどういうものか、それそのものを指しているにすぎません。

ところが、「一番搾り」という言葉は、商品の「名前」を示しているものになります。また、麒麟のマークは「一番搾り」の商品を誰が作っているのかを示しています。

この「一番絞り」と「麒麟のマーク」が商標です。

麒麟のマークは、商標登録第30680号であり、1907年に登録されたものです。日本の商標登録の中でもかなり古い事例の1つです。

明治時代には、この麒麟のマークがついた偽物のビールが数多く販売されていました。そこでキリンは、偽物のマークと本物のマークとを区別するために麒麟の髪の毛の中にカタカナで「キ」「リ」「ン」の文字を細かい字で忍ばせていました。ちなみに、この「キ」「リ」「ン」の文字は、現在のロゴにもありますから、機会があれば探してみてください。

当時は印刷技術が進んでいなかったため、他の会社は、麒麟のマークの髪の毛の中に細かな文字で印刷することができませんでした。そのため、本物のキリンビールと他社が作った偽物のキリンビールとを見分けることができたのです。

ちなみに「一番搾り」の商標は、商標登録第5297758号等に登録されています。

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