すぐに結果が出る「マル秘営業フレーズ」。3回目は商談、ヒアリング編です。効率的な商談の進め方、お客様の本音を聞きだすフレーズなどをご紹介します。言葉だけではありません。いかにお客様に対する気遣いができるか。これが決め手となることもしばしばあります。
~~ごまかさない~~
ダメ営業マン時代のことです。
商談中、お客様から「この部分を変更すると金額はいくら上がりますか?」と聞かれたとき、「それほど変わらないと思います。そういった細かいことは、契約後に打ち合せすれば大丈夫ですから」と、ハッキリとは答えませんでした。
その理由は、《これ以上金額が上がるとお客様が契約してくれない》と思っていたからです。契約書にハンコを押してもらい契約金さえ入ってしまえば、多少金額が上がっても問題はありません。このようなこズルい考え方で話を進めていました。
これでは、お客様から信頼を失うのは当然のことです。
その後、トップ営業マンになった私は、そういったごまかすようなやり方を一切しなくなりました。お客様の質問に対して、「それは26万5155円アップします」と価格表を見ながら1円単位まで伝えるようにしたのです。
お客様によっては、「えっ! そんなに上がるの?」と驚く人もいましたが、それによって「やっぱり菊原さんと話をするのはやめます」というお客様はいませんでした。このやり方のほうがはるかに楽ですし、何倍も信頼されるようになったのです。
意外なことに、金額をハッキリ言える営業マンは少ないのです。
私自身が買う立場になったときのことですが、担当営業マンは「まあ、この程度だったらそれほど変わりませんから」と言っていたにもかかわらず、最終的にかなり金額が上がったことがありました。その金額を見て、《なんだか騙されたなぁ》という気分になったのです。