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DOGとの争いを避けCATな世界へ 田中公認会計士事務所所長 田中 靖浩氏

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近年、米国では、マーケティングや心理学を活用した値決め=プライシングの事例が多数登場しています。一方、かつてメード・イン・ジャパンのものづくりで勝利した日本は、いまだモノの品質にこだわり、それを「コストを下げて安く売る」ことばかり考えています。安値と決別するには自らの「価格の哲学」をもち、「顧客満足『高』価格」を目指す技術を手にしましょう。安値争いを繰り広げるDOG(デジタル・オンライン・グローバル)環境から、値下げの少ないCAT(コージー・アナログ・タッチ)な世界へ。この連載ではその道案内をします。

DOGと戦わないための3つのステップ

あえてデジタル・オンライン・グローバルなDOGと戦う道を選ぶなら、私は止めません。そんな会社にはがんばってほしいと思います。ユニクロやニトリのように世界と互角に戦う会社は、日本人の誇りでもあります。

しかし、その戦いで勝利を目指すのは容易ではありません。相当の資本力が必要ですし、また多数の優秀な人材が必要です。ほとんどの会社は、その道を選ぶべきではありません。小さき者たちは、もっとしたたかに「別の道」を進むべきだと思います。

それがDOGと戦わない道です。利益なき繁忙に苦しむデザイナー、士業など専門家や講師・先生、すべてのサービス業の人たちに私は「応援のエール」を送るべく、アドバイスをしたいと思います。

DOGと戦わない道を歩むには、3つのステップがあります。

(1)値下げのメンタルブロックを外す

値下げと決別するためにまず、「値下げするしかない」という思い込みを捨てましょう。長引く不況で日本人は値下げに対する思い込み、メンタルブロックに侵されました。「安くしないと売れない」--これはほかでもない、自分自身の心のなかにある思い込みの病です。これとの決別なくして、どれだけ値決めの技術を学んでも、「値下げ」を止めることはできません。

私たちは「良いものを、より安く」が常識だと思っています。これはどう考えてもおかしい。間違いです。良いものは高くて当然。悪いものは安く、良いものは高い。これが常識というものです。

たしかに以前は「良いものを、より安く」が正解でしたが、いまや時代がちがいます。ヤマダ電機が赤字になり、あのイオンでさえ総合小売り事業で赤字になる時代です。「良いものを、より安く」はユニクロとニトリに任せて、私たちは「良いものを、より高く」を目指しましょう。価値のある良いものを作って、それを「高い価格」で売るのが商売人というもの。

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