AとBの2つの博物館があるとしよう。あなたは、どちらにインパクトを感じるだろうか。また、どちらに行きたいだろうか?
[ B ] カップヌードルミュージアム
[ B ] ポッキー博物館
[ B ] ラーメン博物館
[ B ] 鉄道博物館
[ B ] 恐竜博物館
Aはどれも、包括的な品ぞろえ(足し算型)である。Bは、Aの一部に焦点を絞った品ぞろえ(引き算型)である。
消費者1000人調査(※1)の結果を見てみよう。次の図の横軸は「インパクトの程度」、縦軸は「行きたい程度」を示している。図から明らかなとおり、AグループとBグループがきれいに分かれている。いずれのケースも、圧倒的に多くの人がBに「インパクト」を感じ、Bに「行ってみたい」と回答しているということだ。
引き算によって、インパクトと引力が高まる 出所:全国消費者1000人調査
(※1)「消費者1000人調査」は、全国の20代から60代の男女1000人を対象に実施した。年代と性別は均等に割り付けた。調査時期は2014年1、7、8月、2015年2、5月。調査方法は、株式会社ネオマーケティングが運営するアンケート専門サイト「アイリサーチ」を用いたウェブアンケート方式である。
この結果から、(1)品ぞろえの引き算によって、インパクトが増加すること、(2)インパクトの増加によって、顧客を引きつける力が増加することが分かる。
引き算 → インパクト向上 → 選ばれる
たくさんの商品を紹介するよりも、品ぞろえを引き算することによって、逆にインパクトが高まり、選ばれやすくなるということだ。以下、「品ぞろえの引き算」に成功した事例を見てみよう。