インダストリー4.0の全貌と日本企業の取るべき道

日本の現場でデジタル化の効果を発揮する ローランド・ベルガー日本共同代表 シニア パートナー 長島 聡氏

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連載の第4回では、IoTを活用したデジタル化に対し、日本企業がどのように向き合うべきかを考えました。欧州の「工場起点の製造業復権」、米国の「データ起点のビジネスモデル創出」に対し、「お客様起点の付加価値創出」を行うべきと結論付けました。

購入を検討している時、その後の購入に至るまで、そして購入後の利用を通じて、お客様との接点を能動的に拡大していく。その中ですべての未充足ニーズや期待に対し、きめ細かく対応する。製造と販売が一体となって付加価値を追求する取り組みです。

日本には、世界が認める強い現場があり、人をおもんぱかる文化や革新的な要素技術もあるのです。お客様起点を突き詰めていく一連の活動は、日本のこうした強みを遺憾なく発揮していくことのできるアプローチと言えます。第5回はこの日本型インダストリー4.0を推進していく上で、必要となる現場マネジメントについて考えていきます。

単なる管理は不要に

マネージャーが最もやってはいけないことは、単なる管理です。各部門があらかじめ定めた目標や標準プロセスを忠実に遂行しているかをモニタリングしてギャップの解消を指示する。こんな業務は4.0時代にはなんの価値にもなりません。これからのマネージャーの役割は、一朝一夕では真似のできない組織能力を作り上げることです。短中長期のゴールを目指して、楽しく自律的に働く、柔軟に連携する日常を生み出していくことです。

図表1 マネージャーにとって、大切なこと、やってはいけないこと 出所:ローランド・ベルガー

図表1 マネージャーにとって、大切なこと、やってはいけないこと

出所:ローランド・ベルガー

少数の天才が人工知能をも活用して事業をデザインしている欧州や米国と異なり、現場の知恵を結集、昇華させて、機動的に事業を組み立てていくのが日本流です。エネルギーに満ちあふれ、様々なアイディアをもつ現場が、高い組織能力を発揮してお客様に直接向き合っていけば、この先、数十年にわたる優位性を構築できるのは間違いありません。マネージャーはそうした組織能力を生み出す鍵を握っているのです。

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