インダストリー4.0の全貌と日本企業の取るべき道

VW、ボッシュ...一歩先行く欧州の工場 ローランド・ベルガー日本共同代表 シニア パートナー 長島 聡氏

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今回はインダストリー4.0における欧州企業の先進的な取り組み事例の紹介です。すでに多くの企業がデジタル化を通じて「つながる」「代替する」「創造する」という3つのコンセプトを体現、競争力を構築し始めています。そうした企業の狙い、現在までの取り組みやその成果を見ていきます。さらに、10年後に目指す姿に向けて各企業がこれまでの取り組みをどのように進化させていくのかを可能な限り読み解いてみたいと思います。

6割をモジュール化したVW

ここで言う「つながる」は単にサプライチェーン上にあるモノ全てがインターネットとつながり、モノの状態がリアルタイムに分かるということだけではありません。もちろん、全てのモノがつながればサプライチェーンのボトルネックを瞬時に無くし、スループットを飛躍的に高め、効率化を実現できますが、「つながる」にはさらに2つの価値が包含されています。

図表1 Industry4.0の具体例と提供価値 出所:ローランド・ベルガー

図表1 Industry4.0の具体例と提供価値

出所:ローランド・ベルガー

1つ目の価値は、サイバー・フィジカル・システムです。製品や工場に含まれる様々なシステムのつながりを構造化し、全体の性能や品質を向上させると同時に、全体の簡素化によるコストダウンも実現するという考え方です。クルマ産業では、モジュール化という言葉でうたわれている取り組みです。

もう1つの価値は、ニュー・クオリティ・コネクティビティです。リアルでの出来事をこれまでにないクオリティでバーチャルに再現することで、ものづくりの時間を大幅に削減したり、これまでにない高い性能を追求したりする取り組みです。一言でいうと、バーチャルシミュレーションですが、これまでとの違いは、ユニットやシステム単体ではなく、より多くのユニットやシステム、最終的には全体に含まれる全てのユニットやシステムを組み合わせた状態でシミュレーションを行い、製品開発を加速するところです。

まずサイバー・フィジカル・システムの事例として、モジュール化を取り上げます。ご存知の通り、モジュール化においては独フォルクスワーゲン(VW)が最も先進的な車メーカーですが、VWのモジュール化は、まず目指すべきクルマの姿を「車両アーキテクチャ」として定義することから始まります。アーキテクチャには、VWらしいクルマとして実現すべき乗り心地、居住性、安全性、制動性など、クルマに必要な全ての性能が含まれています。

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