なぜか売れる 営業の超思考

ラーメン店主、集客のために美容室へ 理央 周氏

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情報感度が高い人は、どこに行けば有用な情報が集められるのか、さらには情報を発信できるのかを誰に教えられるでもなく察知できます。

これは私の知り合いが、あるラーメン店のご主人から聞いた話です。その店はオープン当初、周辺にチラシを配るなどしてある程度の宣伝はしたものの、なかなか集客につながらない時期があったのだそうです。味には自信があるし、店の居心地もいいはずだ。きっかけさえあれば、きっとお客さんに支持していただけるはず、と思っていました。

そのとき考えたのが、「この地域で一番情報が集まる場所はどこだろう?」。そして思いついたのが「美容室」でした。彼は近くでどこが一番人気かを観察して、髪をカットしに行ったのです。

そこで、仲良くなった美容師さんに「最近、近所にラーメン屋を開いたんですよ」と話して帰ったところ、すぐに食べに来てくれ、とても気に入ってもらえました。すると、今度はその美容師さんが自分のお客さんに「新しくできたラーメン屋さん、おいしいですよ」とクチコミしてくれるようになったのだそうです。

営業するより、クチコミ情報に乗せる

これはマーケティングの世界ではよく知られた理論を実践した例で、「バズ・マーケティング(クチコミ・マーケティング)」と呼ばれます。イスラエル出身の研究家であるエマニュエル・ローゼンが書いた『クチコミはこうしてつくられる』(日本経済新聞社)などで説明されています。

顧客は、営業活動やチラシなどの広告物にも影響を受けますが、それ以上にクチコミ情報に敏感に反応します。表向き利害関係のない人に勧められると、売り手から売り込まれるよりも信用度が高いから、という側面もあると思います。

美容室は、比較的長い時間、接客サービスをします。その間に、会話をする機会が多くありますから、地域密着型の店であれば自然とその地域の情報が集まり、多くの人に伝播していくはず。そこにラーメン店のご主人は目をつけて、集客増に結びつけたのです。

バズ・マーケティングでは情報が集まるところを「ハブ」と呼びます。ハブ空港のハブです。

美容室に限らず、自分のまわりにも、情報が集まる場所(ハブ)は必ずあるはずです。社内情報であれば、社員食堂や休憩室、社外であれば、同業の情報交換会や、複数の会社に出入りしている取引先担当者など、自分なりの情報収集・発信方法が考えられます。

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