「エンゲージメント」が経営を変える

利害でなく「愛」でつながる最強の企業 ローランド・ベルガー プリンシパル 田村 憲史郎氏

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前回の「デジタルが生む人と企業の新たな絆」では、企業人間性という『信頼できる「個」としての企業』という概念を解説し、コーポレートブランディング戦略やユーザー戦略等の経営方針を根幹から変革する必要性を説いた。今回はより具体的にエンゲージメントの中でも中核を成す顧客エンゲージメントについて考察していきたい。

その商品を人に薦めたいか

顧客エンゲージメントは前回の内容を踏まえると「顧客が能動的に企業に対して情報を提供することで対話を開始し、相互に信頼関係を構築すること」と言い換えることができる。企業価値の根幹を成すロイヤルカスタマーは顧客エンゲージメントにより、どのようにその姿を変えるのだろうか。

欧米ではかなり普及しているNet Promoter Score (NPS)という指標がある。Fortune500企業の3分の1が導入している。Amazon、Apple、Google、Facebook。今、時代を切り拓いている企業はいずれもこの指標を非常に重要な指標と認識している。

これこそが顧客エンゲージメントの測定指標にほかならない。

NPSは「その企業を友人や家族に薦めるか?」を尋ねることで企業としての信頼性を測定する指標として用いられる。回答者を推奨者、中立者、批判者の3つの群に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引くことで算出する。すでにグローバルスタンダード指標なので競合各社との比較をしやすいというメリットもある。

この指標はこれまでの顧客満足度と何が異なるのか。

顧客満足度は企業が提供している製品かサービスに対する満足度を尋ねる。それは企業視点では顧客の声の最重要指標となる。しかし、顧客満足度が高い顧客が離反していく現象はしばしば見られる。それはエンゲージメントという関係性で文脈を捉えられていなかったからだ。

製品接点は顧客の人生では1つの点でしかない。そこでの満足度のみで顧客の動きを捉えることはできない。より生活に根ざした信頼できるパートナーとしての存在にならなくてはNPSは高まらない。

例えば米国におけるホテル業界のNPSでトップのWestinは+59に対して、下位のホテルは-15と、同じ業態でも極めて大きな差が明確に出てしまう。

また2012年にFacebookは前年度に比べ21もスコアを落としている。常なる進化に向けた努力の成果が明確に現れる指標といえる。

ここでNPSの高い企業を見てみよう(図表1)。

図表1 NPSの比較

1) The computer hardware sectorのみ

出典:2012 Net Promoter Industry Benchmark report; WIZPRA

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