中国発 世界連鎖不況

中国から新興国へ、連鎖不況の恐怖 みずほ総合研究所

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目下の新興国不安の大きなポイントとなっているのは、中国経済のさらなる減速が発端となって他の新興国経済が下押しされる連鎖への懸念である。

そこで、中国経済が一段と減速した際に、どの国がその影響を受けやすいかについて検証した。

経済モデルが示唆する中国ショックの増幅

中国経済の減速が新興国経済に影響する経路としては、貿易、資源、金融の3つのチャネルがあることを本章の冒頭で指摘した。この経路に基づき、各国の実質国内総生産(GDP)ならびに主要需要項目、原油価格等の商品市況、為替レートなどを変数とするグローバル・ベクトル自己回帰モデル(GVARモデル)を推計し、中国経済の減速が各国に与える影響の大きさを試算した。

具体的には、中国経済の成長率が1%ポイントほど下振れした際に、1年間で各国の成長率がどう下振れするかをシミュレーションした。分析の対象国は幅広にして先進国も含めたところ、総じていえば新興国のほうが先進国よりも大きな影響を被るという試算結果となった(図表1)。

図表1 中国経済の減速が各国の成長率に与える影響

(注)中国の成長率が1%ポイント程度減速した場合の、1年間の累積の影響<br /></p><p>(資料)Smith and Galesi(2014)などより、みずほ総合研究所作成

(注)中国の成長率が1%ポイント程度減速した場合の、1年間の累積の影響

(資料)Smith and Galesi(2014)などより、みずほ総合研究所作成

新興国のなかには、成長率の下振れが1%を超えて、ショックの起点となる中国よりも悪化が想定される国があることは注目される。

その中には、マレーシアなどのアジア勢のほかに、ロシアやトルコといった国がある。これらの国に対して相対的に強い下押し圧力が加わることについては、以下のようなシナリオが想定される。

マレーシアなどのアジア勢については、対中輸出依存度が高いことから、まずは中国向けの輸出減少で成長率に下押し圧力を受ける。そして、近隣のアジア諸国も同様に対中輸出を中心に景気を減速させることから、近隣国向け輸出も減少して景気下押しのダブルパンチを浴びることになる。

ロシアとトルコについても、中国経済の減速が他の国に波及していくことで、中国のみならず世界経済全体から悪影響を受けると考えられる。特に、資源依存度の高いロシアの場合、中国発の世界経済減速で国際商品市況が崩れると、資源関連産業の収益や政府の石油収入が減少し、設備投資や政府支出を中心に景気は落ち込む。

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