中国発 世界連鎖不況

「世界の時限爆弾」と化した中国経済 みずほ総合研究所

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中国はリーマン・ショック後に大規模な景気刺激策を発動し、「世界の救世主」と讃えられた。しかし盛者必衰の理のごとく、現在中国はその後遺症に苦しんでいる。最近では、中国経済の先行きが世界経済の最大の不安材料であり、中国経済の腰折れはするかしないかの問題ではなく、いつするかの問題だとさえ言われることもある。中国が「世界の時限爆弾」だと言わんばかりだ。

「4兆元の景気刺激策」の後遺症に苦しむ

人々の目に映る中国像が変化していったのは、故なきことではない。リーマン・ショック以降の大規模な景気刺激策は中国経済、ひいては世界経済の底割れを防ぐうえで大いに貢献したものの、それが次第に過剰資本ストック、過剰債務という重しとなって中国経済にのしかかるようになっていったからである。

リーマン・ショックが起こった2008年当時、中国の国内総生産(GDP)に占める総固定資本形成のシェアは39.4%だったが、4兆元の景気対策の結果、09年には44.1%に急上昇、その後も14年に至るまで44%台で推移している。台湾、韓国、日本の過去最高値はそれぞれ30.9%(1975年)、36.4%(73年)、39.0%(91年)である。これらの数値を大きく上回る状態が中国では5年以上も続いた、ということだ。

その結果、生産能力過剰問題が深刻化した。中国企業家調査系統が行ったアンケート調査によると、設備稼働率はリーマン・ショックの影響で2008年の77.1%から09年に75.3%に落ちている。その後、4兆元の景気刺激策の助けを得て稼働率は一旦持ち直すも、2012年以降、再び低下傾向をたどり、15年には66.6%にまで落ちている。

業種別にみると、建材関連業種で設備の余剰感が強い。例えば、鉄鋼、セメント、平板ガラス、電解アルミなどである。4兆元の景気刺激策以降、インフラ投資、不動産投資が盛んに行われ、それに合わせて建材関連業が競って設備を拡張したためだ。建材関連以外では、石炭に代表される鉱業や造船などでも生産能力がだぶついている。

大規模な投資が行われたのは鉱工業だけではなかった。不動産開発も大規模に行われた。その結果、不動産在庫が積み上がってしまっている。例えば、住宅在庫面積の対販売面積比率は、2009年末時点では1.6倍にすぎなかったが、14年末には3.7倍にまで上昇している。

2015年には幾分在庫調整が進んだものの、同比率は3.5倍と依然高水準である。

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