会社が生まれ変わる「全体最適」マネジメント

9割の企業が間違う改革の進め方 センターボード 石原正博氏

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2社の対等合併により誕生したC社。異文化が混ざり合う現場のトラブルを解決するために業務改善を始めたが、どういうわけか、すぐに形骸化してしまった。経営陣は「社員たちの自主的な取り組み」となるように工夫していたが、それらが意に反して大量の「部分最適」を生み出し、組織を迷走させてしまった。C社の事例をもとに、9割の会社で起こり得る「間違った改革の進め方」について考えてみたい。

持続せず、結果出ずの改革活動

東京に本社を置くIT企業C社。

5年程前に資本関係にあるグループ企業2社が対等合併し、売上1000億円、社員数3000名を誇る大企業となりました。同社は中堅規模の企業を対象にシステム開発から、運用サービスまでのシステムインテグレータをコア事業に売り上げを上げていました。

合併後のC社は合併前の各社の文化や価値観が入り混じる中、細かな方針の違い、業務の流れ、仕事のやり方など違いがあり、業務を進める上でさまざまな支障を来していました。仕組みやルールの統一、一本化を同時に進めてはいましたが、次第に、旧会社間や部門間に深い溝ができていったのです。問題となったのは、そのことが取引先との受発注ミスや納期遅れなどトラブルにつながっていったことにありました。

こうした状況の中、当時のM社長は、ますます競争が激しくなるIT業界の中で生き残るために「C社は今すぐ変わらなければならない」という強い危機感を持っていました。そして、社長自身が推進責任者となって、経営管理体制の刷新、業務プロセスの改善、人事制度の構築の3本を柱とした改革プロジェクトを立ち上げたのでした。

その中の業務プロセスの改善については各事業部門から中心となるプロジェクトメンバーが集められ、改善活動の仕組みを構築し、導入を行っていきました。

導入の流れとしては、まずスタート段階では全国10か所の営業所で試行的に仕組みを取り入れ、その後、全国50か所の営業所でワーキンググループを作りながら全社展開を図るというものでした。

このような流れで業務プロセスの改善を行っていこうとしていたプロジェクトの中心メンバーですが、実は一つ心配があったのです。それは過去にも同様な活動を行ってきた経験から、このまま仕組みだけを現場に落としても、現場がやらされ感の中で言われたことしかやらないのではないかということでした。

本来、業務改善などは上からの指示がなくても社員自身が自分で考え解決できるようにならなければならない。中心メンバーは、そういった組織の受身体質の課題も同時に解決すべく、他社が行った改革の成功事例などを参考にしながら、「改革への取り組み指針の策定」、「現場の中で議論を円滑に進めるためのファシリテーターの養成」、「腹を割って何でも話せるミーティング手法の導入」なども業務プロセスの改善の仕組みに取り入れていったのです。

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