Brexit(英離脱)ショック 企業の選択

関税復活なら自動車メーカーに影響大 みずほ総合研究所 上席主任エコノミスト 吉田 健一郎氏

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「モノ」の自由移動とは、輸出入など財の自由移動を指す。英国が欧州連合(EU)を離脱した場合は、英国とEUの間に国境が復活し、関税が再び課される可能性がある。

「モノ」の自由移動が失われることの影響

現在は、EU運営条約第28条により、EUが関税同盟を形成し、域内での関税賦課の禁止と対外共通関税政策を採用することが明記されている。この結果、EU内の財の自由移動は担保され、EU内での輸出入に係る関税率はゼロ%となっている。

英国とEUの間の輸出入取引に課される関税率は、英国とEUの間の新協定の内容次第である。何の通商協定も課されないWTO(世界貿易機関)型が採用された場合は、EUの共通対外関税率が英国からEUへの輸出に課されることになる。図表1は、英国のEU向けの輸出金額(2015年)を横軸にとり、EUがWTOの枠組みの中で課している最恵国関税率を縦軸にとり、その影響を比較したものだ。

図表1 英国のEU向け輸出額とEUの最恵国関税率

(注) タバコ製品(関税率44.7%)を除く輸出品<br /></p><p>(資料)WTO、Eurostat より、みずほ総合研究所作成

(注) タバコ製品(関税率44.7%)を除く輸出品

(資料)WTO、Eurostat より、みずほ総合研究所作成

EUへの輸出金額とEUの最恵国関税率という2つの観点から見れば、影響が大きい産業は製造業であろう。中でも完成品の関税率が高い自動車への影響は大きい。日本からも多くの自動車メーカーが英国に進出し、EUに輸出を行っている。単純に言えば、関税率が上昇すれば、それだけ輸出競争力が低下することになる。

他の品目に目を転じると、例えば輸出のシェアが高い鉱物性燃料や医薬品等といった財の場合は、輸出額は多いものの関税率が高くはないため、WTO型が採用されたとしても、影響は限定的であろう。

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