「攻めのガバナンス」実現への道

社外取締役は日本企業の救世主か? エゴンゼンダー代表取締役社長 佃 秀昭氏

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6月に導入された「コーポレートガバナンス・コード」は、上場企業に社外取締役を最低2人以上確保することを要請するなど、日本企業に「攻めのガバナンス」を促す内容だ。本連載では、ガバナンス・コード導入を契機に、日本企業が「攻めのガバナンス」を如何に実現できるのかを論じる。前回は、企業統治の本質は「経営者の規律付け」にあると論じた。今回は、規律付けの主体となる「社外取締役」の役割について考えてみる。

監督不在で執行能力まで弱めた日本企業

前回の記事(東芝に見る「経営者」の規律付けの難しさ)では、監査役会設置会社において取締役の大多数を占める執行兼務の社内取締役が機能せず、監督不在の状況であると論じた。社内取締役が執行と監督を同一人格内に抱えることで、取締役目線を持てないためだが、これは個人の能力でなく仕組みの問題である。

そして、社内取締役中心の日本企業は、長年にわたり監督不在の企業経営を続けた結果として、監督能力だけでなく、執行能力をも弱めてしまった。日本企業は、監督能力の向上だけでなく、あわせて執行能力の向上にも努めなければ企業統治強化が果たせない状況になっている。

企業統治の本質は、優秀な経営者を選任し、その経営者を中心とする経営陣を規律付けることにあるが、規律付けの主体は社外取締役である。最近、一部の日本企業で導入されている社内出身の「非執行取締役」は監督能力強化に一定の役割を果たす可能性はあるが、現時点ではまだごく少数派だ。では社外取締役の具体的役割とは何か?

コーポレートガバナンス・コード原則4-7は、独立社外取締役の役割・責務として、4つの事項を挙げている。(1)経営の方針や経営改善についての助言(2)経営陣幹部の選解任その他の重要な意思決定を通じた経営の監督(3)会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反の監督(4)少数株主等の意見の取締役会への反映、である。

つまり、社外取締役の役割は「監督」と「助言」だ。では日本企業は社外取締役にどちらの役割をどの程度期待しているのだろうか。弊社が昨年、大手上場企業32社にインタビューした調査結果(エゴンゼンダー企業統治実態調査2014)を以下に示そう(図表1)。

図表1 社外取締役に期待する役割<br /></p><p>出典:エゴンゼンダー

図表1 社外取締役に期待する役割

出典:エゴンゼンダー

委員会設置会社(調査時点の2014年8月現在、現在では指名委員会等設置会社)では、監査役会設置会社よりも「監督」に傾斜した期待役割となっている。また、専門的観点と経営的観点では、経営的観点をより重視する傾向が機関設計を問わず見られた。

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