Progyny (不妊治療の福利厚生サービス提供)
出所:企業HP、crunchbase
Progynyは、高価な体外受精を含む不妊治療に対する費用の補助や治療に関する相談サービスから成る福利厚生サービスを企業に提供している。企業がProgynyと契約すると、従業員は福利厚生として不妊治療サービスを受けることができるようになる。
従来から不妊治療に関する類似の福利厚生サービスは存在したが、補助額の上限が低く、体外受精などレベルの高い不妊治療を受けるには不十分であった。一方、Progynyのサービスでは、高額な体外受精などの不妊治療もカバーされており、費用を気にせずにレベルの高い治療を受けることが可能となっている。また、不妊治療は友人にも相談しづらいため、患者は孤独に陥りやすいが、パーソナルサポートサービスによって精神的なケアも受けることが可能となっている。これら各種サービスが提供されることで、従業員のロイヤリティ向上が期待されるとともに、精神的安定を手に入れることでの生産性向上も期待されている。
もちろん、日本とアメリカでは医療費などの環境が異なるのも事実ではあるが(※2)、従業員のロイヤリティや生産性を高めるためにライフイベントをしっかりと支援するという姿勢は学ぶところではあるだろう。
(※2)日本では、公的補助制度の他に2016年に不妊治療に対する保険が解禁されており、各保険会社より不妊治療に関する保険が提供されている
第1回はここまでとなるが、次回以降も是非ご覧いただければと思う。
第3回 サイバーセキュリティの盛況(9月上旬掲載予定)
ドリームインキュベータ ビジネスプロデューサー
東北大学理学部卒業、東北大学大学院生命科学研究科生命機能科学専攻。経済産業省を経て、ドリームインキュベータ(DI)に参加。経済産業省では、貿易保険に関する法律や中小企業白書の策定に従事するほか、化石燃料の需要に関する見通しの作成、貿易や資源開発に関する税制度整備等に従事。DIでは、自動車部品メーカーの全社戦略の策定、ベンチャー投資や海外企業の調査に従事。
ドリームインキュベータ ビジネスプロデューサー
京都大学総合人間学部卒業後、ドリームインキュベータ(DI)に参加。大学では、組織学研究に取り組む。DIでは、大手消費財メーカーのブランディング戦略や大手電気機器メーカーの海外進出戦略等のコンサルティングに従事する他、日米印でのベンチャー投資業務にも従事。
キーワード:経営層、管理職、技術、イノベーション、製造、IoT、ICT、AI、ものづくり