肖敏捷の忠言逆耳

質の向上を目指すなら、中国の成長余地は無限大 SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう)

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景気悪化を示す経済指標が増えるにつれ、中国の景気減速に対するグローバルな懸念が日増しに強まっている。こうした状況下、市場関係者らにとっては、中国政府がいつ景気刺激策を実施するのかが大きな関心の的になっている。

確かに、今年3月の全国人民代表大会(全人代)開催後、「穏成長」(安定成長)を合言葉に、李克強首相は公共投資の拡大を柱とする景気刺激策の実施を次々と指示し、中国人民銀行も貸出金利や預金準備率の引き下げを立て続けに実施するなど、金融緩和の姿勢を強めている。にもかかわらず、景気は一向に改善に向かわず、むしろ、中国の景気実態が公式な統計指標以上に悪化しているのではないか、との市場の疑心暗鬼をあおってしまった。

なぜ、中国の景気刺激策は功を奏しないのか? 真っ先に理由として挙げられるのは、景気のけん引役である不動産が深刻な供給過剰に直面しており、裾野の広い産業であるだけに、その傷口が想定以上に広がっていることや、地方政府が過剰債務への対応に追われ、財政的には景気刺激策を実施する余力がないことだろう。だが、中央政府自身が、景気刺激策の実施に浮足立っている可能性も否定できない。

現政権が大規模な景気刺激策に及び腰なワケ

例えば、就任直後、李克強首相は「構造改革を優先するため、景気刺激策を実施しない」と表明した。その後、「強い景気刺激策を実施する必要はない」とやや軌道修正したが、4兆元景気刺激策を電撃発表した前任の温家宝首相と比べて、李克強首相の慎重な姿勢が際立っている。リーマン・ショック後、中国の景気をV字回復に導いたものの、中国が抱えている過剰生産能力と過剰債務の問題を一段と深刻化させるなど、4兆元景気刺激策が残した後遺症は現政権にとって一つのトラウマとなっている可能性が高い。

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