経営戦略として重要度が高まるデジタルマーケティング。川上と川下の連携が注目されている。川上であるメーカーと川下である小売業が組み、デジタルを駆使した店頭での誘導・販促が効果を上げる事例も出てきた。ボストン・コンサルティング・グループの森田章パートナーに詳しい話を聞く。
■消費者が振り向く「気の利いた提案」
前回までは消費者が行動変容にいたるきっかけやパーチェイス・パスウェイ(購入経路)を特定すること、それに対応しどのタッチポイント(顧客接点)を活用すべきなのか明確にすることの重要性を話した。こうした行動分析がなければ、時と場を得た的確な提案はできないからだ。
逆に言えば、気の利いた提案なら消費者が喜んで受け入れる。提案がその人に適合しているほど効果が高い。消費者はSNS(交流サイト)などを通じて自ら調べる習慣が身についている。企業の提案に求められるのは、情報量や伝える頻度よりも品質なのだ。