前編で、CSV(Creating Shared Value;共有価値の創造)の3つの方法~「製品・サービスのCSV」「バリューチェーンのCSV」「ビジネス環境のCSV」~を簡単に紹介させていただきました。今回は、それぞれの方法をもう少し詳しく説明したいと思います。
社会問題解決の新しい市場を創造する「製品・サービスのCSV」
「製品・サービスのCSV」は、社会問題を解決する製品・サービスを提供するもので、CSVの3つの方法の中でも、最もイメージしやすいと思います。「高齢化」「格差」「気候変動」「水」「健康・栄養」「農業(食糧)」「教育」「安全・安心」など、世界には様々な社会問題が山積しています。こうした社会問題を解決するビジネスへのニーズも、高まっています。
製品・サービスのCSVは、こうした社会問題の解決を明確な目的として定め、そこで新しい価値、イノベーションを生み出そうとするものです。社会問題に対応したビジネスはすでにたくさんありますが、製品・サービスのCSVは、図表1のように、社会問題と解決策(提供価値×ビジネスモデル)の新しい組み合わせにより、新しい市場を創造しようとするものです。
図表1 社会問題を解決するイノベーション