石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

勝利から「何を学ぶか」で強さが決まる 東大卒プロゲーマー・ときど氏に聞く

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ときど ああ、そういうことかと、ようやく気付きました。自分のやってきたことは何と浅はかだったのかと、嫌になりました。それに比べ、梅原さんは勝ちパターンを見つけたとしても、すぐに例外を探そうとします。しかも、考え付いたら実戦で試す。たいていは、うまくいかないらしいんですけど。失敗を恐れないんでしょうね。

勝つことより深めることを優先する

石川 梅原さんはたまに、試合が始まっても5秒くらいボーっとすることがあるそうです。なぜ、わざと損するようなことをするのか。相手にボコボコにされる時、自分がどんな風に感じるのか知りたかったからだそうです。勝つための取り組みより、自分のメンタリティを深めることを優先してたんですね。

ときど 経験則から、そういう自分の興味のおもむくままにやることが、結局は強さにつながるということは自覚してるんだと思いますけどね。

石川 わからなくても、とりあえずやってみる。研究者の世界でも、ありとあらゆる失敗を重ねて初めて発見できる、と言われます。そのためか、失敗が尊ばれる文化があります。失敗しないのはスモールアイデアを求めているからであり、ビッグアイデアを追いかけていないからだと。

ときど そういう意味で言うと、僕は「ミスター・スモールアイデア」ですね(笑)。最強って、言ってみればビッグアイデアのことですよね。やっぱり最強になりたいですね。

石川 そのためには、やはり最強とは何か、そして最強であることをどうやって証明するか、考える必要がありますよね。最強とは何か、現時点ではどう定義しますか?

ときど 何だろうなあ、うーん。1つ思うのは、僕は今まで周りの目というか、世間の目を気にしすぎていたんですよ。いろんな大会で優勝すれば、周りは強いと見てくれる。でも最近気付いたのは、もっと身近な人、僕をよく知っている人にちゃんと認めてもらうことが、最強に一歩近づくことなんじゃないかということです。実は少し、そんな兆しがあるんです。

石川 ときどさんを見る周りの目が変わってきた。

ときど ええ、「うまかったんだね」とか「うまくなったね」とか言われるんです。じゃあ、今までどういう風に思ってたんだと言いたくなりますけど(笑)。動画配信の技術が発達してきて、ゲームは今や何百万人、何千万人が一斉に見るコンテンツになっています。せっかくゲームの世界に入ったのなら、見てる人を楽しませることを追求したい。単に勝つだけ、成果を出すだけなら、自分の場合、大学を出て学者とかエンジニアの道に進んだほうが社会貢献になったんじゃないかと思ってるので。

石川 僕はゲームを信じきれず、勉強に逃げてしまいました(笑)。

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