石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

勝利から「何を学ぶか」で強さが決まる 東大卒プロゲーマー・ときど氏に聞く

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ときど 自分の中で、この世界で俺が一番だぜ、と思った瞬間がないんですよ。いくら大会で優勝しても心のどこかで、本当に強いのはあいつだ、と思っている自分がいる。全然、満足してないんです。

石川 自分に満足してないんだなと気付いたのはいつごろですか?

上手いけれど、最強じゃない

ときど わりと最近です。「俺は最強だ」と自信を持って話す人が身近にいます。梅原さんですね(笑)。梅原さんの考えを知るにつれ、落ち込んだと同時に、自分もそういう感覚を味わいたいと強く思いましたね。

石川 上手いけれど、最強じゃない。

ときど そう。大会で優勝した数が多いから強いのか、そうじゃないでしょ、と。

石川 そうすると「最強って何だ」という話になりますね。井上雄彦さんの漫画「バガボンド」の宮本武蔵のような。

ときど 全巻、持ってます(笑)。ところが、こういうことを、梅原さんは14歳のときに考えていたそうです。14ですよ。かなわないなと思いましたね。少なくとも、この人を超えなきゃ最強にはなれないじゃないですか。

石川 最強をめざすために、練習方法は変わりましたか?

ときど ただ反省するだけではダメで、何かを発見することが大事だと思うようになりました。負けた理由を探るのは簡単。勝っても何かに気付けるかどうか。今までの僕は勝つことに満足してしまう性格で損してきました。最近は小さなことでも何かに発展するんじゃないか、過去にあったことと結び付けると面白いんじゃないか、といった風に気付こうとする努力はしていますね。

石川 武術や茶道の世界に「守・破・離」という言葉がありますよね。まず、師匠の教えを守り、それを破り、最後は離れて独り立ちする。研究も同じで、まずはその分野の知識を身につけて、いろんな問題を解く。そしてある段階から、自分で問いを考えるステージへと進む。問いを作るときに陥りがちな誤りが、他の人がやってないから、という理由で問いを探すことなんです。これだとニッチにしかいかない。

ときど それって、ゲームの技でもよくありますね。

石川 どうやって問いを作ればよいか。その指針となるのが、自分の感情だと思っています。自分は何を面白いと思うのか、何に怒りを感じるのか、そうした感情を掘り下げよと、米国の大学で教えられました。最初はよくわからなかったんですが、ようやく最近、日々の生活で感じる感情から問いを見つけていくコツがわかってきました。

ときど どうして自分の感情をベースに置くことが大切なんですか。

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