経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

ケース31:不動産保有会社を格安M&A? 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸 氏

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想定外の抵抗で大幅な時間費消

従業員サイドが自主的な退去を拒否したことから、09年1月25日から、強制執行が実施され、執行官・警備会社・警察側と、元従業員とこれを支援する労組との間で衝突が起きました。元従業員らは強制的に排除され、自主営業状態は解消されたものの、その後も舞台を東京地裁労働部とする、元従業員らが地位確認を求めた訴訟は継続しました。最終的には当初廃業通告された08年5月から1年半超経過した10年1月に、労使間で和解が成立しました。従業員サイドは、その内容を「勝利的な和解内容」と評価していることから、相当金額条件が改善された退職金が払われたことは想像できます。

京品ホテルのケースは、企業側に当初想定していた退職金条件より相当程度負担の大きな金銭を負担させられたもの、と想像されますが、企業側が被ったダメージは、これにとどまりません。何より、時間や機会という貴重な資源を大きく損ねています。本来約定に従いタイムリーに遂行されるべき取引が、想定外の抵抗により、大幅な時間を費消しました。さらに引き渡し期限を徒過(とか)したことで、契約も一旦破棄される事態に陥っています。

さらに、弁護士や内部の人的資源、経営陣やプロジェクトに関連するキーマンの貴重な時間やエネルギーを考えると、取引そのものの目論見を根底から見直さなければならない憂き目に遭遇していたことは想像に難くありません。

このように、「経営が継続している経済実体・法的人格である企業が有している事業用資産を、自己負担で整理清算する覚悟で企業ごと買い上げる」取引と、「本当に必要な更地だけを、更地になっている状態を確認して、シンプルな土地売買の形で、現金でスマートに購入する」取引との間には、大きな違いが存在することはご理解いただけるかと思い

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