経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

ケース10:"固定残業代制度"で、残業規制も難なくクリア!? 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

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今回の悩める経営者:株式会社やもめ食堂 代表取締役社長 高霧たかきり ハイジ(52歳)

相談内容

 先生~、聞いてよ~。先生も知ってらっしゃるとおり、私、「株式会社やもめ食堂」の代表取締役として、居酒屋チェーン店「やもめ食堂」を首都圏中心に30店舗展開しています。今じゃ利益もガバガバ稼いでるけど、もともとは小さな飲み屋からスタートしたのよ。
 最初に始めた飲み屋は、神奈川県下の歓楽街の近くにあって、普通のお客さん相手にも営業していたの。だけど、それ以外にも近くのキャバクラとか、クラブ、スナックとかから、仕出しで料理の注文を受けるような店だったのね。

 その当時のお店の名前は、「いざ、キャバクラ!」。まあ、「いざ、鎌倉!」と「いざ、キャバクラ!」をかけて、キャバクラ出撃前のサラリーマンの若者に人気を呼んだわけなのよ。

 本業の飲み屋もまあまあだったんだけど、そのうち、仕出し料理のほうが好評を博しちゃってね。ちょっとした卵焼きやなんかをクラブとかに出してあげるでしょ? でもクラブとかって本来お酒飲むところだから料理は案外適当だったのね。簡単な料理でも「高霧ママの本格卵焼き」なん感じでものすごく評判が良くて、どんどん仕出しの注文が増えていくようになったのよ。

 この営業形態、誰もやってない穴場で、これは商売のチャンスだと思ったわ。仕入れの合理化とか、色々大規模にやったほうがいいってことになって、小さいながら会社にして「株式会社やもめ食堂」をつくって、あたしが代表取締役社長として色々やることにしたのよ。

 そうやって順調に規模を拡大していったんだけど、そうすると従業員をたくさん雇わないといけないじゃない? これが厄介なのよね。

 最初小さな飲み屋だった頃は、4、5人でやっていたから、複雑なルールなんて決めずに、ちゃんと儲けが出たらお給料を弾んだり、ボーナスとか言ってお金あげたりして、それで誰も文句言わずにお店は回っていたのよ。

 でも雇う人が増えてくれば、どうしてもいろんな人が混じってくるじゃない。そうすると、「残業代を出せ」とか、「深夜手当を出せ」とかごちゃごちゃいう人が出てきたのよ。

 特にうちみたいな深夜営業に特化した店の場合、残業代や、深夜手当とかいうのがどうしても負担になるのよ。ホストクラブで「ナンバーワンのオサムさんの誕生日だから、今日はじゃんじゃん料理持ってきて!」なんて急な注文が入ったりすることはしょっちゅうで、そうすると、どうしても残業してもらわないとならないじゃない?

 加えて深夜だから昼間働くよりも何割か増やしてお給料払わないといけないって法律があるんだって? 何それ? 法律作ってる奴ってバカなの? 法律をバカみたいに守っていたら、深夜手当や残業代を支払わないといけないから、もう経営的には大負担!

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